ヒンガン(興安)盟観光

ヒンガン(興安)盟は内モンゴル自治区の北東部に位置し、大興安嶺山脈の中間にあることから「興安」と名付けられました。北東は黒竜江省、東南は吉林省、北西はモンゴルと隣接し、モンゴルとの国境線からも近いので国内外で重要な地域となっています。総面積6万㎢、人口160万人、モンゴル族を始めとして漢民族や朝鮮族など合わせて20を超える民族が生活しています。興安盟内のウランホト(烏蘭浩特)市に行政府があり、政治、経済、文化の中心となっています。

興安盟では新石器時代のものとされるものが多く発掘され、今から約1万年前から3千年前においても既に人類が生息していたことが判明しています。春秋戦国時代から秦の時代までは東胡人と呼ばれた部族の遊牧地であり、漢、魏、晋の時代には鮮卑族の領地とされ、南北朝時代には室韋による支配地だったと記されています。金国の時代には、全長5000㎞といわれる大規模な長城が築かれ、元の時代にチンギスカンがモンゴルを統一した後は、チンギスハンの実弟が興安盟一帯を領地としました。その後、1947年の内モンゴル自治政府の成立と1949年の内モンゴル自治区人民政府への改名を経て、1952年に一度興安盟の行政を撤去されましたが、1980年に再び行政を回復して現在に至ります。

興安盟は歴史や文化に恵まれ、景色も美しく、豊かな観光資源を開発しています。中でも大興安嶺山脈の森林、科尓泌草原、察尓森国家森林公園、科尓泌湿地珍禽自然保護区など、いずれも自然の神秘と雄大さを感じさせます。また、チンギスカン廟や葛根廟などでは濃厚なモンゴル族の風情が漂い、エキゾチックな雰囲気で溢れています。観光景勝地とされる阿尓山市も有名で、ミネラルウォーターはリューマチや皮膚病などに良いことから、大規模な療養施設が設置されています。加えて阿尓山にある「天池」は「中国六大天池」の一つとしてA級自然保護区に指定されています。阿尓山のスキー場やチンギスカン競馬場など全国的なスポーツ大会を開催可能な施設もあります。