カナス湖
カナス湖は新疆ウイグル族自治区アルタイ地区に所属する布尓津県から北に150M離れた淡水湖です。ここは新疆のアルタイ山脈系に所属する高山湖であり、北極海につながる中国唯一の湖でもあります。面積45、73平方キロメートルに及ぶカナス湖は平均水深が120Mあり、最も深いところが188、5Mにも達しています。貯水量が53、8億立方メートルにも上っています。
カナスというのがモンゴル語であり、「美しくて神秘的なところ」の意味です。話しによると約800年前、チンギスハンは西部を攻落するため、カナス湖を経由したとき、周りの景色に魅了されました。そしてみずから馬を降りて湖水を飲んだということです。後世の人々がこれに因んでカナス湖の水を「王者の水」と呼びました。鴨澤湖の側にチンギスハンゆかりの閲兵壇などが見つかりました。湖水がいつも青く澄みきっており周囲の山々が綺麗に湖水にも映っています。そして湖水の色が天気や季節の変化にともない変わることから「変色湖」とも呼ばれています。カナス湖は三日月の形をして東岸沿いに合わせて湖面に迫り出す六つの高地（カーブ）があり、どれでも湖面を眺める絶好の場所とされます。ここから日の出や日の入りを見るのにうってつけの場所であり、運が良ければカナスの「水中の怪物」と言われた何物が微かに見られるかもしれません。湖の周りにうっそうと原生林が生い茂り、秋になると一面の紅葉に染められ美しいです。ここは南シベリヤ系の動植物が分布する地区であるだけに、主な樹木がカラマツや赤松、トウヒ、メタセコイヤなどの珍しい品種の以外に、逞しい白樺林も密集しています。全部で798種が数えられます。この外、鳥類が117、獣種類が39、両棲動物が4種、昆虫類が300種それぞれ見つかっています。湖の中に珍しい生物があり、例えば鮭類、チョウザメ類が多く生息し、特に鮭の中に体長２～３Mに及ぶ「哲羅鮭」がよくカナス湖の「怪物」と考えられ絶え間なく観光客の人気を集めて大きな反響を呼んでいます。実際この伝説中の「水中の怪物」に憧れていく観光客も少なくはないのです。
カナス湖は自然的な恵みが多いだけではなく人工的資源や観光開発に向けての施設なども整備されています。カナス観光地は北国の雄大さもあれば南国の山水の美しさもあります。この外、雪山、雲海、ブロッケン現象など枚挙に暇がありません。2007年5月カナス湖観光区が国家旅遊局に五A級の観光区に指定されました。
カナス湖は年平均気温がマイナス4度であり、一月の平均気温がマイナス24度にも下がります。夏のうち観光に行くにしても防寒に十分必要なものを用意することをお勧めします。最もカナス湖の美景を見たいなら6月から9月までに限ります。6月のカナス湖といえば、いろどりの花が競うように咲き乱れ、まさに花の世界なのです。これらの花の世界が空に浮かぶ白い雲、遠くに聳える雪山、雪解けの清い水、緑の森に隠れた民家などとともにカナス湖のユニークな風景画を織りなしています。
カナス湖の遊覧コースに二つあり、まず船で漂流のコースです。湖の南の出水口から臥龍湾までとなり、やく9キロの距離で1時間ほどかかります。出発してまず鴨澤湖まで行きます。鴨澤湖は昔、鴨が多く生息して名付けられたそうです。この区間が湖面が狭くて流れも激しく波立っています。それから鴨澤湖から臥龍湾まで行きます。この区間が広くて水面も穏やかです。両側にモミの樹木が広がる中、たまには熊やオオカミ、しかなどの野生動物が出てきます。湖水も汚染がなく底まで見えるほど澄んでおり、水とも山とも決められないファンタジーの世界に息を飲みます。
もう一つは船で行くコースで、約40分ほどかかります。湖の北側から流れを逆さまにして上っていきます。湖岸沿いに六つのカーブが曲がっていくのです。六つのカーブにそれぞれ違う景観を呈しています。第一カーブから南の湖の出口まで4キロ離れており、羊背石とトルク岩画を見ることができます。第二カーブは湖水が一番清くてきれいです。ここが風説の「水中の怪物」が出るところとされています。そして第三カーブは自然に出来た観湖台が高く聳えカナス湖を鑑賞するにはうってつけの場所です。第四カーブは美しい湖心島が見えます。第五カーブには有名なカササギの山が見えます。最後の第六カーブはカナス湖の北側にある水の入り口に当たります。ここに1000Mに及ぶ枯れた丸木で出来た堤があり、カナス湖の名物となっています。
9月に入りますとカナス湖は爽やかな秋を迎えます。青空の下に一面の燃えるような赤く染まった森が山という山に広がり、無限な迫力を見せてくれます。この時は撮影にもふさわしいシーズンでもあります。
カナス湖を鑑賞するにはまず西岸からおよそ4000余の階段を登って観魚亭に到着します。この観魚亭からカナス湖の全容を眺めることができます。
アクセスとして毎年5月から10月まで（雪が降る前）布尓津県から定期バスがあり、約3時間半で行けます。この外に布尓津県のバスステーションから車を貸し切り行くこともできます。夏、カナス湖の平均気温が15度～20度になるし、気温の変化も激しいし、防寒服や傘などを是非ご用意いただきたいです。
