巴丹吉林砂漠
巴丹吉林砂漠は内モンゴル自治区の阿拉善盟の北部に位置し、面積が4、7万平方キロメートルに達し、中国の三番目の砂漠です。その中で北西部にあるやく1万平方キロメートルに及ぶ地域が人跡未踏の場所だと思われています。海抜が1200~1700Mの間になっている巴丹吉林砂漠は高低の差が500Mもあり、「砂漠のエベレスト」とも称されます。巴丹吉林砂漠は気候が乾燥して流動する砂漠が全体の83?ほど占めており、流動するスピードが割に遅いとされます。中部に高さ500mほどの高山砂漠地帯が聳えて複合型の砂漠が支配的になっています。
巴丹吉林砂漠は気候が乾燥し降水も少ないです。毎年の6月から8月に集中しており、降水量が40~80MMに止まっています。その代りに蒸発が激しく日照も厳しいです。内モンゴル族自治区におけるもっとも蒸発の激しい、または太陽光によるエネルギー資源の多く利用される場所だとされます。夏の気温が最も高くなり、38度から43度にまで上がる時もあります。
砂漠の配列が北西からの風の影響でほぼ東西に走る波状に並べられています。砂丘などの周辺に普通植物がまばらに分布しており、大体,沙拐棗、イヌヨモギ、マオウからなっています。
巴丹吉林砂漠は「奇峰(美しい峰)、鳴沙(砂が鳴る)、湖、不思議な泉、寺院」という五つの特色で人気が高いです。波状に並ぶ砂漠にふるい歴史を忍ばせる寺院の尖塔がくっきりと青空に映る景色、数キロまで響いて聞こえる砂の不思議さで「世界の砂の鳴る王国」とも呼ばれています。砂漠の中に113とも数える湖がエメラルドのように点在し、「砂漠の江南」と称されます。素晴らしい環境に恵まれ、蘆などの植物が生い茂り、野鳥がよく飛び回る風景、川魚も清い河で泳ぐなど、砂漠の地帯と思わないほどの生態が整っています。巴丹吉林砂漠の東部や西南部にも昔の原住民の農耕や狩猟の生活を裏付ける曼徳拉山岩画は「美術世界の化石」と称えられています。
1984年から、引き続き国内外の多くの専門家や学者が巴丹吉林砂漠を訪れ、調査や考古などを行いました。1993年、中国とドイツ両国の学者が共同で総合的考察を実施したところ、大量の価値のある資料を発見したとして駝鳥の卵や恐竜の化石を発掘しました。砂漠の中心地で旧石器や新石器時代の物と見られる遺物が出土され、3000年から5000年にかけてこの一帯に人類の活動があったと証明することができます。
巴丹吉林砂漠は大量の野生動物の楽園であり、狼を初めとして狐や鷹、蜥蜴、雁、鴨、白鳥など何十種の動物が生息しています。近年来、地元政府の努力で生態保護を進めたことから、狼の被害が出るほど野生の動物が随分増えました。
巴丹吉林砂漠の足と言われたものは従来の駱駝よりもラバが大幅に使われるようになりました。
巴丹吉林砂漠は人気のある観光スポットとして必魯図沙峰、砂漠奇泉、廟海子などは数えることができます。必魯図沙峰は海抜が1617Mであり、「砂漠のエベレスト」、「世界砂漠の最高峰」などと呼ばれています。風に吹かれた造形美に富む砂漠の景色が雄大さを呈しています。砂漠奇泉と言われるのは広大な砂漠地帯に釣り合わないほどの清い泉が湧き出ています。そして廟海子と呼ばれた寺院が1755年に建立されたラマ教の寺院のことです。周囲の色彩と強いコントラストを成しています。寺院は巴丹吉林砂漠のランドマークでもあり、地元の人々の心の拠り所だとされます。
巴丹吉林砂漠のイメージを高めようとして毎年8、9月の間、巴丹吉林砂漠文化旅遊の祭日を設けて盛大に行われることになっています。