手古摺る爆竹をどうしたらいいか?

2012年05月17日中国文化


田舎で新築の住宅に引っ越す時、かならず爆竹を鳴らします


お正月になるとマンションの路上でむやみに爆竹が鳴らされ、ゴミがいっぱい散らばっていて、誰でも気にしないようです。

 中国では、田舎であろうと都会であろうと結婚式のようなめでたいことをする時、必ずと言っていいほど鳴らすものが爆竹なのです。また家族は人が亡くなったような時でも、相変わらず使命を果たすものがやはり爆竹です。こうして見れば、爆竹は中国人の生活とは切っても切れない関係にあり、まるで爆竹なしの中国では考えられないような気がしてならないです。
 ところが、爆竹はもろ刃のようなものです。一方では中国人の冠婚葬祭に寄与するプラスがあり、他方では火事などになりかねないマイナスの一面もあります。
 ご承知のとおり毎年のお正月にあたり、中国各地で爆竹による火災が多発し生々しい大惨事に巻き込まれて、あまたの人命と財産が失われた報道でもちきりのようでした。これに呼応するように、毎年のお墓参りの清明節になると、爆竹による山火事が後を絶たないのも回避出来ない事実ではないでしょうか。それどころか、爆竹の製造段階でも不始末や違法運輸による爆発など全国を脅かす大惨事も少なくはありません。
 このような爆竹によるマイナスを最小限に食い止めるために、政府当局と個人とが一丸となって適切な対応策を検討すべきです。それは政府当局として爆竹に対する管理を強化するとして製造から、流通ルートへ、それから流通ルートから店頭先の販売まで、綿密な管理のマニュアルを作成する必要があり、またこれらを法律に盛り込まれる上、徹底的にアピールするようにしなければなりません。
 要するに誰もかれも爆竹の取り扱いに対する責任感を高めると同時に、他人に対する気配りや思いやりを強めるモラールを掲げるべきです。私は結婚披露宴を行う立派なホテルなどの庭で豪華な車を停めたすぐ側なのに、傍若無人に(他人に対する気配りや迷惑などを無視すること)爆竹を我が物顔に鳴らす人に腹が立たないではいられません。これは人の車を傷つけるトラブルになる可能性が高まるし、へたをすれば火事にもなるのではないでしょうか。また私は、桂林の町の大通りで火葬場に向かうらしい車から、火を付けられた爆竹をむやみに通行人と車が行き交うきれいな道に投げ捨てられた光景がよくも見えました。爆竹の爆破は周りに危険だし、道も汚れたし、「このままでは、だめだ」と、「何とかしないといけないな」ともつくづく感じさせられました。如何に爆竹を鳴らす人の公徳心(モラール)と社会に対する責任感を高めるかというのは看過できない問題になっています。
 爆竹について社会学者と専門家の中で賛否両論に分かれ、爆竹を完全に取り締まる必要があるという意見も挙がりましたが、伝統習慣にすっかり定着したものだから、完全に撤廃することは出来ないという意見の方が強まったようです。結局、今の段階では、社会と個人に迷惑にならない程度で、この手古摺る爆竹をこれからも鳴らしていく方針です。

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コメント(2)

作者:( 「ふれあい中国」)

お客様からのコメント

1董文利2012/06/08 23:26返信

コメントをいただき、誠にありがとうございます。先生の幼い頃、お正月になると例の爆竹を鳴らすことが一番待ち遠しいことだった。確かに貧しい時代だったので、爆竹を鳴らしたパチパチの音に子供の好奇心を誘い、興奮させられる一方、若いせいか、それとも無知だったでしょうか?爆竹に対する怖さや危険意識などが全然なかった。私が子供の時、道で拾ったガラスのかけらを喜んでくずやさんに持って行き、換金した小遣いで買った爆竹は気の荒い兄に奪われ、鳴らされたことがあり、泣き寝入りになって未だに記憶に新しい。あの爆竹を一つでも鳴らしてしまうと、もったいない、惜しいという子供の気持ちも永遠に心に刻んでいる。また無謀にも爆竹を鳴らしたこともよくあり、今振り返ってみると怪我も事故もなくてありがたい気持ちでいっぱいだ。このような貧しい時代に育った私たちはいまの時代の子供との爆竹に対する感覚が全然違うだろう。あの時代を背景に爆竹を渇望する子供の無邪気な気持ちはおそらく 今の時代の子供に理解できないだろうね。

2臥龍先生2012/06/08 08:39返信

爆竹には子供の頃の楽しい思い出がたくさん残っています。旧正月の時美味しいものが食べられる外、爆竹も鳴らすこともできました。いたずらな私たちは爆竹が爆発する前、空とか、池とかに投げだすことを楽しくしました。怖くてできない人は女々しく思われました。また爆竹を道端にある牛の糞に差し込んで燃やしたことも楽しかったです。爆竹を缶詰のガラス瓶に入れて鳴らす危ないこともしました。とにかくおもちゃもゲームもなかった貧しい時代に生活した子供たちにとって、爆竹を鳴らすことより楽しいことはありませんでした。

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