「国籍」の変わったアルパカ
2012年06月26日中国文化
この間、私は生まれて初めて陽朔の西街で可愛い動物と推奨されたアルパカを見ることができました。テレビで既に見たことがあるアルパカは毛並みが真っ白く、カシミヤよりも上質な紳士服の材料として愛用されているということだそうです。また飼育動物としも非常に可愛くて、おとなしいといったらないほどの動物には違いありません。珍しいアルパカの到来は間違いなく、毎日緑の山に見飽きる地元の人や観光客にとって好奇心が抑えられない「来客」です。あの羊にも駱駝にも似ているアルパカの体付きと真っ白い上品な毛並みはまわりの町の雰囲気と釣り合わないほどの「大スター」のような存在で、通りかかりの人々の視線を集めないではいられません。
実は観光客がよく集まって来る陽朔の西街で今までなかったアルパカを撮影のモデルにすると、うまい稼ぎが期待できると信じる業者があるはずです。商売に目がない業者の気持ちがよく分かっています。
ところが、中国では、橘が淮南(淮河の南)に産むと橘なり、淮北(淮河の北)に産むと枳(からたち)なりという言い方があり、地理環境がいかに大切であることを物語っています。アルパカにとって地理環境がすっかり変った陽朔では、この新しい試練に耐えられるだろうか?自分の懐かしい故郷や仲間を離れ、一人ぼっちになり、無理やりに「商売道具」にさせられたアルパカ。は、心でどんなに「ホームシック」で、悲しい、寂しいものが去来するものでしょう?人間の実利主義がなんと憎らしいものかを「泣き寝入り」のアルパカの虚ろな目つきに映っているには間違いないです。
アルパカの原産地がおよそ4000m以上の南ラティーアメリカのチリやペルーの山岳地帯であり、寒さに強い動物ですが、6月頃の真夏になり、ほぼ毎日のように気温が30度以上に突入する陽朔の町では、こんな蒸し暑さに耐えられるのか?ただ高山地帯に相応しい真っ白い厚みのある、上品な毛並みがいざ脱毛しては・・・(実際、脱毛させられたアルパカが逆に余計にみすぼらしくなり、誰もが目もくれないモノに落ちぶれてしまいます)
私はここまで考えると些かこの可愛いアルパカの身の上を案じるようになりました。少なくとも、あの業者に少しでも「商売道具」に強いられた何の罪もないアルパカを優しくするよう心から念願しているだけなのです。それは動物愛護が我々人間の普遍的価値そのものであるから。
一人の女性の観光客が興味津々に優しいアルパカを見ています。
珍しくて、可愛いアルパカと写真を撮っている、大満足を覚えた観光客。
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作者:( 「ふれあい中国」)
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