馬王堆漢墓
馬王堆漢墓は湖南省長沙市にある紀元前二世紀の墳墓で、1972年から1976年にかけて発掘されていました。馬王堆漢墓は長沙市内から東へ5キロ離れた郊外にあり、発掘された三号墓の上に大きな屋根を造って観光客に開放されています。一号墓から完全に保存された女性の遺体(ミイラ)をも発見されました。同時に出土された珍しい文物の中で漆器や華麗な絹、その上に描かれた神秘的な帛画等が見つかり地下の図書館とも言われており、2100年前の中国の社会経済、風俗習慣、科学技術、貴族の生活が現代人の目の前に改めて現れ、歴史の研究に大変役立つことになり、今でも貴重な国の文化財になっています。
馬王堆で出土した漆器
一号墓に埋蔵された墓主は軟候の夫人「辛追」と言う名の女性であることが分かって、2100年もよく保存されたことで世界が驚かされました。遺体の全身の筋肉に柔軟性がまだあり、手足の関節も自由に曲げることができます。指でその額や腹、腕を押すとくぼんだ筋肉がまた元に戻ってきます。2100年間の遺体がまだ腐っていないことは今でも謎となり、学者たちからの研究はまた続いています。
馬王堆で出土した2100年間の「辛追」婦人の遺体
馬王堆漢墓で出土した貴重な文物は現在ほとんど市内にある湖南省博物館に移転されています。博物館へ見学に行こうと思う場合、事前に予約をしておいたら無料で観光できます。2015年から博物館の内装工事で閉館していますが、2017年10月1日の国慶節に観光客に改めて開放されるようになるそうです。
湖南省博物館