広州市街の西南20キロ、佛山市の郊外にある。古くから陶磁器の産地として知られ、漢代の陶磁器や宋代の窯跡が出土している。
石湾の陶器は、「広窯」とよばれる。広鈞と呼ばれることもあるが、それは、鈞窯に似た製品を多く造りだしたことによる。鈞窯とは、宋時代の五名窯「官・哥・汝・定・鈞窯」のひとつで、河南省禹県にあった窯あである。乳青色の釉を厚くかけた青みや紫みをおびた陶磁器である。
石湾陶器のもうひとつの特徴は、熟練したリアリズムの技巧を駆使た人物像である。題材を歴史や伝説に採り、働く姿を活き活きと描き出す。