ハミ博物館
ハミ(哈密)博物館は1988年に創建され、2009年にハミ市環城路の歴史文化区に移され、ハミ回王陵とドランムカム(木卡姆)文化伝承中心に近隣しています。
ハミ博物館の建築面積は12000㎡、陳列室の面積は7000㎡を超え、臨時庁、自然、地質陳列庁、古代文明展庁、ドランムカム文化庁に分けられています。館内には12000点以上の所蔵文化財があり、その中には一級文化財45点、二級文化財48点、三級文化財122点が含まれています。
「多元文化、中西合壁」の博物館
博物館は4階建てで、東西両側の装飾には中原や西域建築の特徴が見られ、上部にある円形の学術庁は青銅器の「鼎(かなえ)」に似ており、中国文化と西方、北方文化が融合したハミ独自の文化が創造されたことを象徴し、「多元文化 中西合壁」というハミ博物館の基本理念を形にしたものだといわれています。
博物館の1階は臨時庁で、ハミ地方の特色展示と学術交流が行われ、ハミ市各民族の芸術文化活動の拠点となっています。2階は自然庁、地質陳列庁があり、古代の大型脊椎動物の復元模型や鳥、魚の化石約100点以上が展示され、資料や写真が添付されて分かりやすい解説も備わっているのでハミ青少年の学習の場にもなっています。4階にあるドランムカム文化庁はユネスコ世界文化遺産に登録されている新彊ウィグル族の伝統芸能「ドランムカム」を始め、ハミ民族の文化習慣などを紹介しています。
博物館の「鎮館之宝」
3階の古代文明展庁にはハミ周辺で出土した文物を石器時代から明清時代まで時代別に陳列してあり、石器、陶器、青銅器、毛織物、ミイラなど幅広く地方色豊かな所蔵品はハミが歩んできた長い歴史を現代に伝えています。また、ハミの五堡古墳と焉不拉克古墳から出土した所蔵品が五堡と焉不拉克のベースにそれぞれ分かれて展示されています。
収蔵品の中には格子模様が織り込まれた三千年前の毛織物や博物館のロゴマークにも使われている前漢時代の羊形柄銅鏡、北方草原文化青銅器の銅釜、鹿首銅刀、さらに保存状態が良い五堡ミイラなど博物館の「鎮館之宝」と称される逸品が数多く展示されています。