百魔天坑
百魔天坑は百魔洞とも呼ばれ、巴馬県甲篆郷に位置しています。1987年、中国とイギリスのカルスト地質研究家の視察調査で、世の中に存在する鍾乳洞の美しさをすべて内包していると讃えられました。
平均高度80m、広さ70mで。遊覧コースの全長は4000mに及びます。下には盤陽河が流れていて、洞の中にさらに洞が広がり、それらも含めると1㎞を越えます。また、周囲には感歳洞、柳羊洞、五仁洞など非常に大きい洞窟群を構成しています。
4つのホール
この地の鍾乳石は雄大で、最も高い石筍は39m、直径10mを越える大きさです。洞窟内には4つのホールがあり、最も広大なホールは高さ100m、広さ数百メートル、全長1000m以上と壮大で美しい空間を展開してます。そこには直径3~5m、高さ70~80mの石柱が数十本も高くそびえ立っています。その雄大で美しい石柱群は数億年前から形成されたもので、天下第一と言っても過言ではありません。さらに霧が立ち込めると、より一層神秘的な空間を創り出します。
南洞と北洞
また、南洞と北洞の間には吹き抜けた洞があり、空を仰ぐことができます。洞の周囲は数百メートルの絶壁、底には20ムーのオレンジ畑が広がり、まるで桃源郷を目にしているようです。洞の端をのびる山道から天窓に登ると、オレンジの木が小さな苗木のように山に寄り添っているように見えます。
南洞の二階、三階にある宮殿の鍾乳石は形状が多種多様で、帆を張った舟や地面に座っている神様など、自然物とは思えない造形を生み出しています。ほかにも孔雀迎賓や金山猿王、鍾乳洞の段々畑などの見どころがあります。
四季の景色
百魔洞の景色は季節によって様々な表情を見せます。夏は上から水が滴り、底からは清らかな地下水が湧きあがり河道の淵に注がれます。浅い場所は、ズボンの裾を巻いて渡ることができます。湧水と地下水が洞窟で合流する地点は清濁の境目がはっきり分かれ、ごうごうと音を立てて勢いよく流れていきます。秋冬になると、流れる水と緑の淵に鍾乳石が奇観が映り込み、静かで落ち着いた雰囲気を演出します。春には洞窟の周りに花が咲き乱れ、さらさらと流れている河と鳥の鳴き声が洞内まで響いてきます。夏は涼しく、冬は暖かい、酸素とマイナスイオンが広がる人に優しい空間を創り出しています。