羅城古鎮

   羅城古鎮は四川省?為県の東北部に位置し、楽山市から約60㎞の距離なので車でも1時間で行くことができ、成都からは2時間半ほどです。羅城古鎮は明の時代崇楨元年(1628年)の建設が始まり、長い歴史の荒波の中でも以前の姿を守り続け、特に明清時代の建築や文化の面影が色濃く残っています。羅城の「羅」は東西南北、「城」は明の時代の「原住民」「地元の民」という意味があり、「羅城」とは東西南北から地元の民が貿易に集まってくるという解釈があり、これが羅城古鎮の名前の由来といわれています。

   羅城古鎮で最も有名なのは町の中心を構成する「船型街」といわれる涼庁街です。全長209mの涼亭街は楕円形の丘の上にあり、船の形状のように町の両端が狭く中心が広くなっています。最も広いところで9.5mあり、杼の形のようにも見えます。そのため昔からこの場所を「雲の中の一本の杼」、「山の上の一隻の船」などと呼ばれてきました。また、町の歩道が船の底、両側に並んでいる家並みが船の船端にあたり、真ん中にある舞台が船の船室のように見え、東側の霊官廟が船尾になり、西側にある天灯の石柱がちょうど船の帆柱にあたります。この霊官廟の右側に隣接する長さ22mの屋根付き通路は昔そのままの風情や面影を残し、まるで船の舵のようで、順風満帆に海原を進む一隻の船のように見えてきます。

   中国唯一と言われる羅城古鎮の船型街を散策すると、何百年も昔に戻ったような錯覚を覚え、町のどこからともなく溢れるのんびりした趣や解放感に心癒されます。近代的な雑踏の中での生活から離れ、羅城古鎮を訪れると、そこはまさしく人々の「心の駅」であり、リフレッシュに最適な場所となっています。


   さらに地元政府は羅城古鎮の良さを生かし、観光資源に展開していく復元プランを検討中で、「船型街」というユニークなネームカードを用いて、昔のままの町の雰囲気を保ちながら、レジャー中心の観光地に生まれ変わろうとしています。

   最近では国内外の報道により、ますます羅城古鎮の知名度が高くなり、『四川茶館』などの映画製作のロケ地として脚光を浴びるようになりました。このように観光事業の開発に伴い、羅城古鎮はより一層その魅力を引き出しています。