泉州海上交通史博物館
泉州海外交通史博物館は、海交館と呼ばれ、中国で現存する唯一の海事博物館である。旧館は1959年に開元寺内に設立された。1979年に開元寺の東側に新しく『泉州湾古船陳列館』が建てられ、泉州湾から出土した船や海事遺物などが陳列されている。そして1990年には、市の東の郊外に、敷地面積35000㎡、建築面積7000㎡を超える海交館の新館が建てられた。本館は二本のマストがある船を象徴とした現代建築となっている。
泉州海交館は現在三つのテーマ館から成っている。一つは、「泉州海外交通史館」で、シルクロードの海上の重要な港である泉州の二千年を越える海事活動の概況・文献・文化物・遺跡写真などが陳列されている。二つめは、「陶磁器輸出館」で、泉州に400以上ある古い陶磁器の釜跡で発見された輸出品500点が陳列されている。三つめは、「宗教石刻館」で、泉州で発見された宋・元時代のイスラム教・キリスト教・ヒンズー教・マニ教の石刻400点以上が陳列されている。これは国内外の宗教文化交流および、宗教芸術の重要文化財である。また館内には、全国的な学術研究組織である「中国海外交通史研究センター」も設立され、刊行物『海交史研究』を発行している。