烏珠穆沁草原
烏珠穆沁草原は内モンゴル自治区の錫林郭勒盟の北東部に位置し、総面積7万平方キロメートルにも達し、海南島の面積よりも広いです。烏珠穆沁草原は全国において最も典型的な温帯草原です。「烏珠穆沁」とは「葡萄を摘み取る人々」という意味です。歴史の記載によると、「烏珠穆沁」と称されたモンゴル族の一族が13世紀前後、中国の新疆北部とモンゴルとの国境地帯にあるアルタイ山脈の葡萄山一帯に生息したことから名付けられたと伝えています。やく17世紀の中葉に、彼らが部族ごとで今の草原に移転してきました。1641年、部族の首領である道尓吉が昔の「烏珠穆沁」という名前を回復して1949年に、ここで「東部連合旗」という組織に結成しました。1956年にさらに「西烏珠穆沁旗」という名称に改名して今までに至っています。
烏珠穆沁草原は依然として昔そのままの原始生態の面影を保っています。青空に白い雲が流れ、草原の恒久不変のライトモチーフとなります。これに合わせる大地を清らかな川が流れて果てしなくひろがる緑の草原を潤します。その間に馬に乗って走り回る牧畜民、あたかも白い雲のように群がる羊、緑の草原に点々として飾っているゲルなどが共に雄大な絵巻に構成し観光客の心を捉えています。時にはどこからともなく聞こえてくる烏珠穆沁部族ならではの民謡が悠長な節回しを展開し、あなたを魅了してしまいます。カラフルな烏珠穆沁部族の服飾が地元の民族の明るさを浮き彫りにさせます。昔ながらのモンゴル族の相撲も伝統文化の息吹きを伝えてくれます。このような遊牧文明が末長く烏珠穆沁の古い文化を物語っています。
烏珠穆沁草原は山地芝原式の草原、丘陵芝原式草原、半砂漠式草原、河川湿地草原などに分類することができます。あらゆるタイプの放牧にふさわしいとされることから、牧畜業を営む牧畜民が最も多いです。肥沃な草原に勤勉な牧畜民の努力を加わり、良質な烏珠穆沁品種の羊やカシミヤ用の羊、馬などが出産され全国にそのブランドとしての名が馳せています。
烏珠穆沁草原の周辺には各種の鉱物資源が埋蔵され、鉄や石炭、鉛、大理石、石英などが数えられます。森林地帯に茸や蕨など、そしてオオギ、智母などの漢方薬200種ほどが採れます。このほかに白鳥や百舌鳥、雉、鴨、ノロ、鹿、ウソなどの野生動物が10種類ほど生息しています。
毎年7月ごろから烏珠穆沁草原を訪れるなら気候も爽やかであるうえ、地元の数々の伝統文化も一々体験できると請け合いです。