労働者シリーズ(一)ガスステーションの経営者
2011年12月21日桂林の生活
中国では、普通の家庭でよく使う燃料は「液化石油気LPG」または「液化天然気LNG」の二種類です。北方ではおおく液化石油気を使っているので、日常の会話は「液化気」と言い、南は液化天然気をよく使うので日常は「煤気」と言います。昔はほとんど「煤気罐」(ボンベガス)を使いましたが、現在は「管道煤気」(パイプガス)が普及しています。「煤気罐」と比べて、「管道煤気」の方が安くて、便利で、清潔などの利点があります。それによって、かつてお客さんが大勢来て賑やかだった「供気站」(ガスステーション)は静かになってきました。現在の「供気站」の数はだいぶ少なく、規模も小さいです。経営者は多く田舎から来る人で、コストを削減するため、オーナもスタッフも運搬夫もよく同じ人で、サービスは行き届いています。電話一本で全てサービスしてくれることは昔には思いにも寄らないことです。毎日、人力で30キロ重さのボンベを5、6階までも運ぶ苦労は普通の都会の人間が我慢できないのです。それでも、物価が暴騰するため、「煤気罐」を使用する人がだんだん少なくなって、経営は難しいです。いつも電子コンロを使う私はたまに「供気站」に電話をかけて「煤気」を送るように頼むと、向こうの声は大変嬉しそうに聞こえました。その瞬間の気持ちは言い難いです。
去年か一昨年の旧正月には「農民工」の労働者故郷に帰ったことによってぺきんでは一時に掃除夫、家政婦、ガス運搬夫が足らなくて、困ったことニュースを放送しました。社会はどんなに発展してもこつこつと働いた労働者が欠けてはいけないと思います。「食ったのは草、出したのは牛乳」と魯迅先生が言ったのはこの人たちのことではないのでしょうか。彼らは社会発展の礎石だと思います。テレビは毎日公務員の官吏、警察、大手企業の社長、お医者さん、弁護士などの模範事績を報道していますが、たまにはこのような労働者のことをも報道してはいかがでしょうか。
かつて商売繁盛だった店は今寂しくなりました。
電話一本で全てサービスしてくれます。
看板の上に「今日の値段は99元(ボンベ一本で)」と書いてあります。
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コメント(1)
作者:( 「ふれあい中国」)
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中国の個人の家の燃料が「練炭」から「瓦斯」に代わって久しいですね。 1970年台までは、11月頃になると「炭団」と「練炭」づくりが農家の庭先でみられました。庭に蓆をしいて、其の上で石炭の粉と粘土を練り、手で丸めたり簡易型にいれて乾燥させる作業を見ることが出来ました。それが都会と言わず農村の隅々まで「瓦斯」が普及し台所、風呂の燃料として使われてきましたねー。「天然瓦斯」「プロパン瓦斯」それぞれ、ガスボンベに充填されてTEL一本で各家庭に直ぐ運んでくれる、まことに便利な世の中になりました。自転車の後部にバランスよく2本積み込んで、路上を走る姿、外国人から見たら滑稽に見える時もあります。私のところは、3階ですが担ぎ上げてくれて、1本100元で届けてくれます。「瓦斯」代金も高くなってきていますのでお風呂の熱源として「電気温水器」が最近、登場してきています。夜間の安い電力を利用してお湯を60度に保温して貯湯漕に貯め、いつでも温水を使用できる設備が各家庭に普及し始めました。燃料コストは、電気温水器のほうが格段に安いようです。我の住むところにも6000元ほどで設置いたしてあります。写真の店先に後ろ姿の女性の姿、腕に「腕カバー」してますね。このような「腕カバー」、かって日本の商店や工場で着用しているのをみましたが、今はほとんど見受けられません。これから暮れの親戚や友人がたくさん集まる季節になり、「瓦斯」の使用量も増え、ガス屋さんの繁忙期に突入いたします。「瓦斯切れ」は困りますので、予備を1本、備えておくのも悪いことではないようです。筋肉隆々の出稼ぎ農夫が2本の「ボンベ」を担ぐ姿を見ると、つい5年前までプロレスラー並の体を保持していた私も、お腹が出っ張り肩から腕の筋肉がげっそりと落ち、哀れな自分の貧弱な体にガッカリしています。「農民工」の人たちはこれから春節に向けて帰省されるのですね。バスターミナル、駅の待合室のごった返しの風景が見られるのも、もうすぐです。今年の大晦日は、たくさん「瓦斯」を使い多くの日本料理を作り、テーブルに並べましょう。