「あなたは二人目の子どもが産めますか?」
2013年01月22日中国文化
ご周知のように現在、世界の人口は五人の中に一人が中国人だという計算に間違いないでしょう。中国はかつて二回(一回は1962年~1972年であり、もう一回は1985年~1990年である)の人口爆発により、いわば13億(2011年に実施した第六回人口調査による数字:1370536875人)と言われた世界一の人口大国なのです。資源が日増しに枯渇しつつある世界といい、中国の国内の実情といい、無制限に人口が増えていくことは好ましいことではないと考えられます。この人口爆発により緒問題が改めて浮き彫りになる中国では、正式に1973年から一人っ子の出産をを呼びかける政策が採られました。これで「一人っ子」の世代が現れました。これを基本的国策として40年近くにわたる実施の実りは目立つほどあってなんと四億人の人口を減らすことになったと計算されました。こうしてゆとりのある社会作りに向けて確実な一歩を踏み出しました。0、57%(2011年統計)という世界でも出生率の低い国の行列に入り「貧乏人の子だくさん」と言われた時代にも終止符を打ったのではありませんか。
産児制限の主な内容として出来れば遅く結婚し、遅く子供を産むのを呼びかけ、それに少子化と優生化を奨励することです。基本的に一組夫婦が一人の子供(一回の出産に限ること)を産む国策に定着したのです。
ところが、中国は人口が多くて広い国土のうえ、地域的にも文化や民族的にも差異性が存在することからまったく同じ基準に定めることができません。この中で人権や労働力、少数民族の現状などを考える原点に基づき総合的に決めなければなりません。「一人っ子政策」だからと言っておいそれとは無差別に対処することができないわけです。ここで二人目の子供が許可された条件は地方によりある程度異なりますが、まとめて言えば、おおむね次の通りに並べることができます。
1、 夫婦双方がみんな一人っ子であるうえ、戸籍に一人の子供を持つこと
2、 夫婦双方がみんな田舎の戸籍であり、戸籍に一人の女の子供を持つこと(四年か或いは八年の間隔が必要とされます)
3、 一人目の子供が市級の医療機関に障害があるとして正常な労働力に回復できない子供だと認定され、そして遺伝子的に問題のない夫婦
4、 再婚した夫婦は一方に二人以下の子供を持ち、一方に子供がいない場合
5、 夫婦双方では、片方の同胞の兄弟(姉妹)に子供がいないうえ、もう子供を産まない場合
6、 夫婦双方がみんな総人口の1000万以下の少数民族である場合(チベット地域のチベット族に限り産児制限がない)
7、 県クラス以上の医療機構が認定した片方が不妊症のため、五年間も子供が出来なくて養子をもらった夫婦
8、 夫婦双方は一方が二等乙級と認定された障害軍人、烈士及び社会や国に貢献をした功労者の場合
9、 男性が兄弟のいない女性の家族に入籍して女性の父母を世話する農村夫婦
10、一人の女の子を持つ炭鉱労働者がすでに五年間炭鉱の仕事を従事し、これからもこの仕事を続けて行きたいとする場合(五年間の遠洋漁業の従事者も同然となるが、地域により牧業、林業などのような労働力の密集型の職業の夫婦もOKです)
産児制限の規定では、一般的に一人目の子供が出来てから、避妊リングの使用、二人目の子供が出来たなら女性にたいする輸卵管の結紮などを義務付けにすることが明らかになっています。しかしこれらの手術に合わない場合、医者などの指導のもと別の健康に優しい避妊措置を取ることも明記されています。
言うまでもなく上記の規定を守らない夫婦がいて特に監視の目が粗い田舎では男の子がほしがる風潮が強まっています。男の子が生まれるまで法律を全然無視するケースがないとは言えないです(今、胎児に対する性別の鑑定が法律的に違反となります)。
産児制限を守らない罰則も法律に盛り込まれていわゆる「社会扶助費」(罰金と同様)を徴収することが義務付けとなります。当然これが各地方により異なります。例えば湖南省では違法に生まれた子供の一人に対して前の年の収入の2倍から6倍までの罰金で徴収することになっています。とうとう罰金が払えず計画出産関係のスッタフと「いたちごっこ」をして子供を隠したりすることもあります。逆に金がありすぎ金銭ずくで振る舞う違反者もたまに報道されています。つまり産児制限にまだ不備な点があります。
実際、田舎より都市の方は適齢夫婦が自覚的に国の呼びかけを理解し産児制限を守る比率が高いです。従来の「多子多福」(子供が多いほど幸せが多い)、「養児防老」(子供を育て老後に備える)といった考え方にこだわる人が少なくなりました。一人の子供を大事に育てる家庭のパタンが極端に多いと予想されます。
一人っ子の家庭では、「わがまま」な「小皇帝」に振り回される両親二人、祖父母四人という異様な構図をテーマにして産児制限の存廃についてインターネット上でもアンケートを実施したことがありました。「老齢化社会が次第に深刻さを増している。老後問題も突きつけられる。男女の比率が歪んでいます。産児制限が国民を不平等にしちゃった」などを理由に規制を緩和すべきだと回答したのは906人に対し、「我が国がもともと人口が多すぎて規制を緩和すべきではない。元のような人口爆発では危ない」と反論した176人が並んでいます。これにもかかわらず国の持続的発展から見れば、しばらくの間この基本的国策を緩めそうにありません。
桂林市の七星区にある産児制限を管理するサービスステーションに飾っているポスターであり、政府が産児制限の宣伝に大量の資金の投入にやぶさかではないです。
中国では夫婦が子供を産む前にこの左側の「計画生育の服務手冊」を申請する必要があります。すなわち「子供を造る」「ライセンス」だといってもいいです。もしこの「ライセンス」がなければ、罰金を納めることになっています。そして右側のは一人の子どもを持つ夫婦へ配った「光栄証」です。
桂林市の七星区にある産児制限を管理するサービスステーションの立派なビルです
サービスステーション内に開設した機構であり、40年近くの実施により夫婦の生育に優しいサービスが行き届いています
サービスステーション内では産児制限に関しての一部の治療や手当は無料で対応しています。たとえば避妊リングを入れるとか、人口流産術など結構無料の部分は多いです。
ステーションで子供が生まれた母親と家族が産児制限と関係のある相談や治療のためにロビーに休憩しています
桂林の田舎では、壁に「男の子もよかろう、女の子もよかろう比例的に調和が取れれば更によかろう」の宣伝用語が書いてあります
ステーションの壁に産児制限についての壁新聞がいっぱい飾っています。たとえば「妊娠時の十大禁物」が明記されています。
可愛がられる「一人っ子」の子どもたちが幼稚園で「マスゲーム」を演出しています
「家庭の小皇帝」と言われる一人っこの子どもはいよいよ学校が終わります。その前に保護者たちが既に玄関に集まってきました。中に定年退職の祖父母も多いようです。
学校が終わり、先生に引率されて学校の外に溢れた小学生たち
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作者:( 「ふれあい中国」)
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