「鍵の大王」の有り難味

2013年01月31日中国文化

   誰もかも恐らく家のドアの鍵などを忘れたり落としたりして困ったなという時があったのでしょう。この時、頭に思わず浮かんで来られるのが多分、町のどこかの「鍵の大王」ではないですか。世間では普通どんな鍵でも開けられる意味から、「鍵の大王」と名付けられたらしいです。この名称に相応しい優れた技術が問われ、しっかりと身に着けておくべきです。本気にこの技術を勉強したいなら、覚えられないことはないです。(ネット上でも学費を払えばいろいろと教えてくれるサイトがある。本当かどうかは不明である)。
 ところが、「虎を野に放つ」という言い方があり、「モラル•ハザード」ではないですが、これらの「大王様」に対する法律的な規制がないと、恐らくどの家庭も危険に晒されることになるでしょう。ありがたいことに「大王様」に対する規制がきちんと整っているのです。
 実際、中国で「鍵の大王」と言われた業種は法律的に特別の業種だと認定されています。この職業を経営するには、必ず地元の公安当局による安全管理及び監督検査を受けるとして《特別業種許可書》を申請する必要があります。しかも経営が許可されるライセンスも必要とされます。《特別業種許可書》では、鍵を開ける道具などは禁制品扱いなので、勝手に不特定の人に売り出してはいけないとしています。さもなければ両方とも法律違反と裁かれます。公安や工商局では、町でこのような許可もなく勝手に店を開く「ニセの鍵の大王」に対して徹底的に取り締まる方針なのです。犯罪につながった責任が法律により厳しく追及されることにもなります。そのために「大王様」の情報に関するデータ管理も義務付けとなります。
 一般的に公安の110番を通じて「鍵の大王」を探してもらうことができるほか、正規な「鍵の大王」に直接電話することもできます。それに鍵を開ける現場の立居人として普通、警察かマンション管理人、あるいは隣人かが必要とされます。また頼んだ人の身分証明証や居住証、車の場合は運転免許証などを提出しなければ開けてくれないかもしれません。住宅などの所要者に成りすまして開けてもらうことは絶対許されないことです。このような犯罪になりかねないケースに対して勿論、「鍵の大王」の責任も問われることに決まっています。
 安全のためにできるだけ不正規の「鍵の大王」に頼まないほうがいいと公安からも注意されています。
 鍵により開けてもらう費用が違います。一番安い鍵が普通室内のドアに取り付けた玉型の鍵であり、大体40元(600円)が必要だそうです。少し高くなる鍵は玄関のドアの鍵であり、タイプによりいろいろとありますが、普通200元(3000円)から500元(7600円)までとなります。またホテルの部屋の電子タイプの鍵も高いらしく、この価格の区間にも入っています。
 更に高いのが車の鍵であり、これも車の泊まる場所までの距離や車の自身のランクによって費用が細かく区別されています。例えば安い車の「鈴木アルト」の場合は場所により30元(450円)から100元(1500円)までがかかるということであり、高級車のアオディの場合は、駐車の場所などにより大体200元(3000円)から600元(9000円)までかかるということもあります。
筆者の目に、これらの「鍵の大王」の 技術では開けられない鍵はないと言っていいほど完璧であると映るのです。確かに今まで例の「鍵の大王」による不正なトラブルを聞いたこともないです(皆法律を順守する模範だと言える)。今まで筆者の自宅の鍵やお世話した日本人のお客さんのスーツケースの鍵などを開けてもらったことがありましたが、いずれも迅速に来てくれたうえ、てきぱきと開けてくれたことに「すごいな」と思い、頭が下がるばかりでした。多少なりとも費用がかかるのですが、彼らを「氏神」のような存在だと思い大変、助かることも間違いないです。
 こう考えていけば、未だに中国と日本との関係は回復が見られない中、その糸口を打開する「鍵」を握る「大王」がいつ現れてくれるのでしょうか。ふと筆者の脳裏にこういう閃きが浮かんでいました
 。

桂林の町に「鍵の大王」と言われた店のパタンがいろいろあり、車の鍵は落とした場合、「すべてを俺に任せてください」と、宣伝用語が車の上に書いてあります。

鍵のことなら何でも相談できそうな店ですね。

看板に「工商局に登録されており、24時間サービス」という意味の文字が出ています。

この「鍵の大王」は看板だけでもすごいパワーが垣間見るようです。



店が小さいですが、「すべての鍵が開けられるよ」とピーアールしています。

マンションの鍵などを開けるだけでなく、車の鍵やリモコンの鍵まで作ってあげると道端に置いてある看板

桂林の自由市場に開店している「鍵の大王」なので、それだけに費用も安くなるでしょうね。

「桂林市公安局、市の保安総公司と連動する鍵屋さん」と宣伝する看板の「大王様」

普通室内のドアに取り付けた「玉型の鍵」を開けてもらう費用は一番安いということです



鍵はいろいろありますが、それぞれ開けてくれる費用が違い、ピンからキリまでです。
   
                                           

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作者:( 「ふれあい中国」)

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