人の一生、草木の一秋。
2013年10月06日中国文化
こんばん、洗濯物を取るため、屋上に上がりました。ふとほのかな香りが漂ってきました。それは月見草の香りです。月見草は夜にならないと花が咲かないので、中国語では「夜来香」と言います。月見草の匂いはライラックの匂いと似ているので、その匂いが嫌いな人もいます。私はその匂いが好きです。数日以来、月見草はだれも知らないうち、開いたり散ったりして、秋の夜に静かに香りを放っていました。「美しい花はご縁のある人のために咲く」という言葉をどこかで読んだことがあります。私は普段夜にはめったに屋上に上がることはないですが、偶然のことでタイミングに恵まれて、その花の咲くことに出会いました。それは月見草とご縁のある人だと言えるのでしょうか。一人で秋涼の中に既に散り始まった月見草の花を見て、なんだか寂しく思いました。ふと、「花開きて折るに堪えならば直ちに折るべし、花無きを待ち、空しく枝を折る莫れ。(花が咲いたら、折り取ったほうがいい、ひたすら待っていたら、花がなくなり、枝を折っても虚しいばかり)」という漢詩を思い出しました。花は今年散っても来年にはまた咲きますが、人間は青春がいったん逝ったら、もう二度と戻りません。人の一生、草木の一秋。人間も花も同じことです。私は今晩の感想を中学生の娘に話したいと思います。
訪問者(1328)
コメント(2)
作者:( 「ふれあい中国」)
前の文:50にして天命を知る
次の文:灌陽油茶
陸さん 桂林は金木犀の香りで、花酔いにうたれますねー。気候はこれから11月いっぱい好くて、建国節の終わりで、おおにぎわいの漓江の街〃も平穏な観光めぐりとなることでしょう。漢詩が語られていますねー。淡い恋を想起させてくれますね。金縷衣 杜秋娘 勧君莫惜金縷衣 勧君須惜少年時 花開堪折直須折 莫待無花空折枝 君に勧む 惜しむ莫れ 金縷の衣 君に勧む 須らく惜しむべし少年の時 花開いて折るに堪えなば直ちに須らく折るべし 花無きを待って空しく枝を折る莫れ 日本の無頼作家、太宰治は、こう述べたように記憶してます「富士には月見草が似合う」とか。「走れメロス」、「津軽」、「人間失格」など名作を残し、自死にいたった彼の心境には、可憐な「月見草」が愛おしく映っていたのでしょう。人は喧騒の一コマの中、ふと立ち止まっては季節の花に心を留めるのでしょう。
中国では「月見草」と「夜来香」の二種類の花があります。両方とも夜になって花が咲きますが、まったく違うものです。ヤフー調べましたが、日本には「月見草」がりますが、「夜来こ香」がないようです。「夜来香」は匂いが強いので慣れない人もいます。私はその強い香りが好きです。テレサッテン「イエーライシャン」の歌も好きです。