灌陽油茶
2013年10月31日中華料理
もし貴方が中国の広西省にいらっしゃったことがあれば、世界でも有名な山水名地・桂林のことをご存知かもしれません。そして、もし実際に桂林を訪れたら、桂林名物のビーフン料理を食べないわけにはいきません。では、桂林のもう一つの食文化をご存知でしょうか?それは「油茶」を飲むことです。資料によると、油茶の歴史は清の時代から始まり、当時乾隆皇帝に「爽神スープ」と呼ばれていました。現在、桂林の各県に油茶文化が広がっており、例えば、興安油茶、灌陽油茶、恭城油茶、資源油茶、龍勝油茶などがあります。その中でも桂林で最も人気のある油茶は「恭城油茶」です。しかし、私がここでお薦めするのは「灌陽油茶」です。灌陽油茶は恭城油茶ほど有名ではないのですが、灌陽油茶はより健康によい油茶だと私は思います。
灌陽油茶は灌陽独特の軽食としてではなく、灌陽の人々の朝食の一つにも数えられます。また、一部では昼食また夕食でも欠かせないほど好まれており、油茶文化は灌陽でかなり重要的な地位を占めています。灌陽油茶は食文化であるだけでなく、はるか昔から油茶を頂きながら人々と語らい合い、人々の重要な交流手段の一つとされてきました。
それでは、次に「灌陽油茶」の作り方をご紹介します。
材料:スペアリブ、お茶葉、葱、キノコ、緑豆、野菜、炒米(お湯で蒸したもち米を乾燥させ、油で揚げたもの。日本の糒に似ている。)、ビーフン或いは麺、ピーナッツ、塩、味の素、黒糖或いは砂糖などの調味料。
作り方:まず、油茶を作るための専用の鍋を用意し、最初に「糖茶」を作ります。糖茶は鍋にお茶葉、生姜、黒糖或いは砂糖、水を入れて沸かしたら出来上がりです。糖茶は主に胃を清潔にし、食欲を促進する効果があります。お客様がいるのに「糖茶」を作らなければ、極めて無礼な接客方法にあたると言われるほど重要なものとされています。糖茶を飲んだら、油茶を作り始めます。主な材料はお茶葉、炒米、ビーフン或いは麺で、他にも緑豆やサヤエンドウ、カボチャ、野菜、サツマイモなどを鍋に入れて煮込みます。出来上がったら、ビーフン、炒米及び葱、唐辛子の漬物などを入れた茶碗にお茶を注ぎます。残った食材は細かく砕いて、二杯目、三杯目の油茶に加えます。灌陽油茶は黄金色で、口当たりもよく、「篩油茶」には「一杯目は苦く、二杯目は渋い、三杯目、四杯目は美味しい油茶」という俗語があります。これはお客様に対して「ゆっくり油茶を味わってください」という気持ちを込めて生まれたものとされています。
以上、灌陽油茶の食文化をご紹介しましたが、灌陽出身の女性にとって料理はもちろんですが、それ以上に油茶を作ることが重要視されており、油茶ができない女性は女性として不合格だとされています。それは油茶を作ることがお客様を満足させることにつながるからです。お客様を接待するための大切な習慣と言った方が適切かもしれません。お客様が家を尋ねる時、毎回豪華な料理を用意するのではなく、時には油茶を作って迎え入れることも非常に好まれています。油茶を作るとき、皆が囲炉裏を囲んで座り、油茶が出てくるのを待つのです。
灌陽の人々の油茶文化は冠婚葬祭の時も用いられます。例えば、新婚夫婦の結婚式では新婦が必ず油茶作ります。油茶を渡されたらすぐに飲んでしまうのではなく、友人や親戚が新婚夫婦に冗談を言ったりからかったりして、最後に新婦が新郎の親戚に世代順に油茶をごちそうします。この油茶の習慣には皆の祝福と願いが込められており、とても賑やかで灌陽の特色を示した非常に有意義な結婚式といえます。
また葬儀の時は、故人を埋葬する前夜に、多くの方が追悼に訪れ、故人の家族の人を慰めます。その時、家族は油茶で人々を持て成します。これは、追悼に赴くことが故人に対して最も敬意を示す行為で、故人の家族はその感謝の意を示さなければいけないからです。また、油茶を飲む行為が故人との「さようなら」を意味し、家族の思いや人々の故人を懐かしむ思いを伝えていきます。
ほかにも、灌陽では女性が暇なときに三々五々集まって油茶を飲みます。この瞬間は油茶を飲みながら心身ともにリラックスして、ご近所付き合いと親睦を深める大切な交流手段になっています。
灌陽油茶は文化の代表としてだけではなく、医学的にも大きな働きがあります。灌陽油茶は胃の消化を助ける食事療法的の効果があり、例えば、満腹時に1杯の灌陽油茶は最高の消化剤とされています。灌陽油茶は無添加食品の組み合わせなので漢方薬、西洋薬と比較しても身体にやさしいことがわかります。
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コメント(2)
作者:( 「ふれあい中国」)
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小梅さんは美味しそうな油茶を造りましたね。私は油茶を綴るのが好きですが、作り方が難しくてできないです。今度は小梅さんの教えた通りに作ることに挑戦したいと思います。日本では各家庭のお母さんが作ったみそ汁の味がそれぞれ違うそうですが、灌陽でもお母さんによって油茶の味がそれぞれ違うのでしょうか。彼からも小梅さんのブロックを読みたいからどうぞう続けて頑張ってください。
臥龍先生、コメントしていただき、ありがとうございます。灌陽油茶の作り方はご案内の通り、何回も試してみたら、そんなに難しくないと思っていきますよ。そうですね。確かに、材料は同じでも、各家のお母さんが作った油茶の味が違いますね。臥龍先生にもお時間がありましたら、また小梅の家へ油茶を飲みにいらっしゃってください。