桂林の油茶について
2015年01月22日中華料理
桂林の油茶は元々恭城油茶と呼ばれております。恭城は桂林から南西に108キロ離れた田舎町で、中国の少数民族とされる瑤(ヤオ)族を初めとした民族の自治県です。そこで約1000年程前の唐代から油茶という食事を始めたとされます。油茶を食べた後は、口触りをよくし、爽やかな気分になるから清代の乾隆皇帝から「爽神湯」(精神をすっきりさせるスープ)と褒められたことがありました。最初からこの油茶は地域の民族の大好物として親しまれ、30年ほど前から桂林周辺にも広がるようになりました。現在、桂林だけではなく広西地区にも広く食べられるようになりました。今、桂林の市民たちの朝晩の一大健康食品のように定着しています。
桂林でこの油茶を作るプロセスとして次のようにこだわっています。必ず清明節と谷雨の季節の前後に取れた茶葉を使わなければなりません。まず5~10分間にわたり、水に浸かり、灰汁抜きなどしておきます。それから鍋の中にラードを入れてそれから生姜や大蒜、事前に水浸しの茶葉も入れて軽く炒めます。それから鍋の中で杵で粉々にしていきます。そのあとまた鍋に改めて水を入れて香りや味が出るほど煮込みます。最後に塩も入れます。これで見た目もきれいであるうえ、食欲を増進させる効果も抜群な油茶のスープは出来上がることになります。食べる前にまず笊できれいに濾過させ、茶碗に注ぎます。それから、ネギやコリアンダーを入れるほかに、お好み入れとしてお米と麺類の揚げ物や、揚げ落花生、お米や大豆の炒めなどの具も入れて食べることが推奨されます。これらの具をよくかき混ぜてから食べる方に進みます。このようにして作った油茶は食卓に出されると葱やコリアンダーの香りがします。口に入れると最初お茶の苦みが微かにしますが、そのうち微かな甘みが口中に広がります。その後味が染み込み忘れられません。
このように桂林の油茶はよく「一杯目は苦く、二杯目は渋いですが、三杯、四杯以上はきっとよい味がする」と言われます。近年来桂林に観光に来る人が増えるにつれてこの油茶はますますその名が知られ、桂林の観光の一大体験となりました。特に最近のダイエット志向から体内の脂肪を軽減させる目的もあることから、この種の油茶を食べる風潮が高まっているようです。いかがですか。美しい桂林観光のついでに是非ともこの健康食の油茶を味見していただきたいものです。
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作者:(董文利 「ふれあい中国」)