札蘭屯市

   札蘭屯市は内モンゴル自治区の東部に位置し、呼倫貝尓市の南側を跨る大興安嶺の東麓にあります。「札蘭」とは満族語であり、清代が定めた正三品の武官の官職でした。1691年(康煕30年)、真の政府が初めて「札蘭」役場を設置したことから名前が決まりました。1901年に開通した中東鉄道により札蘭屯周辺の人口が増加し、農業や商業などが繁栄の兆しが見え始めました。1932年傀儡の満州国がここで布特哈旗という管理行政を設けました。1949年布特哈旗は呼倫貝尓盟に所轄に変わりました。1983年、布特哈旗を札蘭屯市に昇格させました。1986年、札蘭屯市を解放都市に決められ、1988年、内モンゴル自治区の経済体質改革を目指す試験区にも指定されました。

 

   札蘭屯市は面積が延べ1、69万平方キロメートルに達し、総人口が45万人います。その中で市街地に住んでいる人口が16万人いると言われ、モンゴル、漢族、ダオール族、オウンく族などの20の民族から構成されています。

 

   札蘭屯市は大陸的気候に属し、年平均気温が2.、4度であり、年間降水量が480ミリメートルになっています。域内にある森林面積が延べ105万ヘクタールにも及び、天然牧場が合わせて506万ムー(1ムーは666平方メートルになる)もあります。野生の動植物は合わせて千種近くにもなっています。農産物として玉蜀黍や大豆、白瓜種、ビートなどが数えられ、中国の重要な食糧の生産基地とも指定されています。鉱物資源も多く埋蔵されており、主に硅石、石墨、石炭、水晶などがあります。

 

   札蘭屯市は歴史が古くて文化の厚みもあります。歴代にわたる北方各民族の生息や遊牧を行う場所でした。チンギスハンがここを兵隊の駐屯地として利用したこともあり、金の国の長城が域内を跨っています。札蘭屯市は自然の景色が美しくて観光資源にも恵まれています。険しい山、珍しい石、きれいな水、生い茂る森林、稀に見られない野獣や鳥類などが豊富な観光資源を形作っています。かねてから「塞外の蘇杭」や「北方江南」といった誉れが伝えられています。そのため札蘭屯市は国の重要観光地と中国の素晴らしい観光都市と評判されています。

 

   札蘭屯市の主な観光地として次のように並んでいます。

 

1、市街地の北側にある吊り橋公園

   敷地面積が68ヘクタールにも及ぶ公園が札蘭屯市のシンボルとされ、観光の目玉とも指定されます。公園が内モンゴル自治のの東部にある最も大きい公園ともいわれます。

 

2、秀水風景区

    雅魯河の水と両側の美しい山並みに囲まれた観光区域です。きれいな水に映る緑の植物が逞しくて一軒の価値があります。

 

3、柴河風景区

   札蘭屯市から南に185キロ離れた観光地であり、探検向きのコースとして利用されています。ここが雄大な景色に恵まれ、時には野生動物が出没する原始森林も人気です。

 

4、雅魯河の漂流コース

   札蘭屯市から北に32キロ離れた雅魯河漂流コースが「北国の第一号」と呼ばれます。漂流ボートに乗り、思う存分に大自然に親しむことができます。 

 

5、金竜山スキー場

   札蘭屯市から北西に8キロ離れたスキー場は自然環境に恵まれ、最新設備も導入されたことから、スキー愛好者に快適なサービスを提供することができます。 

 

6、歴史陳列館

   傀儡政権とされた満州国時代の歴史を再現させる記念館として利用されています。

 

7、金界濠観光スポット

   金長城とも呼ばれ、国家級の重要文化財と指定されます。ここが内モンゴル自治区と黒竜江省との境目に位置しており、観光客の人気を集めています。

 

8、陽旗山ダムリゾート

   ダムを舞台にして開発した各種の観光施設が整備され、お客さんを誘致しています。