アマニサハン(阿曼尼莎汗)記念陵
アマニサハン(阿曼尼莎汗)記念陵はカシュガル市の郊外にあり、カシュガル市の重要な観光スポットの一つに指定されています。記念陵は敷地面積1050㎡、高さ22m、陵墓は高さ2m、幅10mの台地に築かれています。陵墓の屋根はアーチ型で、となりにあるモスクと隣接し、その周りには宮殿と国王の陵墓が配置されています。宮殿の周辺を巡る壁には『12マカム』と呼ばれる新疆ウイグル族を代表する民族音楽12曲が刻まれています。アマニサハン記念陵はその巧みな構造と典型的なイスラム建築様式として高く評価されています。
この陵墓は1526年に生まれたアマニサハンという女性のもので、彼女は15世紀のこの地において最も名高い女性詩人であり、ウイグル族の古典音楽の再編集を行った第一人者であるとされています。残されている記載によると、アマニサハンはコラマコ砂漠にある普通の農家に生まれましたが、とても美しくて才能に溢れた女性で歌にも舞踊にも優れ、詩作にも通じるほどの才媛だったと伝えられています。彼女は13歳の頃、ヤルカン王国のアブラカン•アブロラシティの王妃に選ばれましたが、宮殿での贅沢な生活に溺れず初心を忘れることなく、できるだけ多くの民間芸術人、詩人、民間歌手などから学ぶことを怠りませんでした。そして長年にわたる努力で散在していたウイグル族古典音楽を整理して集大成と言える『12マカム』の編集に至りました。『12マカム』は科学的にも体系的にも統一、洗練されており、ウイグル民族が世界に捧げる宝物として国内外に広く知られています。
アマニサハンは難産のために34歳の若さでこの世を去りましたが、彼女が一生を貫き遺した音楽芸術は現在でも世界に認められており、この記念陵にその精神が受け継がれています。