ムスターグ・アタ(慕士塔格峰)
ムスターグ・アタ(慕士塔格峰)は新疆ウイグル族自治区のアクト県とタシクルガンタジク自治県を跨り、海抜は7509mとパミール高原の最高峰の一つと言われる山です。また、ここは世界でスノーを楽しめる最も高い山だと認知されており、ヨーロッパからの登山家やスノー愛好家のあこがれの聖地として高く評価されています。19世紀、スウェーデンの登山家が初めて記録を残しており、その時に「ムスターグ?アタ」と呼ばれ始めました。ムスターグ・アタはタジク語で「氷河の父」を意味し、カシュガル市からコキラオフ門戸まで行くやめに必ず通る場所でもあります。
伝説では、かつてムスターグ・アタの山頂には氷山姫が住んでいたそうです。そして、反対側に聳え立つ海抜8116mのチョゴリ峰に住む氷王子と恋に落ちました。しかし恐ろしい天帝が彼らの関係に気づき、魔法の杖を振りかざしてお互いに寄り添うように立っていた2つの峰を分かち、2人は遠く離れ離れになってしまったという話が言い伝えられています。氷山姫が氷王子を思い焦がれ、悲しい気持ちに明け暮れて絶え間なく流した結果、それが無数の氷河に変わり、晴れた日になると真っ白な雪に覆われた峰から広がる氷河があたかも美しい袖やスカートのように見えます。ムスターグ?アタはその雄大な姿だけでなく、このような伝説により地元のタジク民族では純情な恋のシンボルとしても親しまれています。
ムスターグ・アタは地質学的に断層型の造山運動によって形成された山であり、緩やかな山裾が広がっています。標高が高く気温が一年中低いことから、空気中の水分はほとんどが固体状で降り、氷河の発育に適しています。氷河は合わせて14本も存在し、すべてが海抜5200m以上の高山地帯に形成されています。氷河の上には氷山が多く分布しており、名だたる登山家であっても困難であるとされています。この氷河や氷山の眺めを目にするには、国道315号沿いにあるカラクル湖の湖畔からの遠景がお勧めです。カラクル湖の湖面に映った氷山の澄んだ純白の景色は人々を魅了します。また、夏から秋にかけて「聖山」であるムスターグ?アタを目指す多くの人々がこの地を訪れており、彼らの宿泊する色鮮やかなテントが広がる湖畔の風景と雪山のコントラスとも見事です。この周辺はムスターグ・アタの麓に位置するので、車から降りてトレッキングすることも可能です。
最後に、ムスターグ・アタの観光には、登山用の靴、日よけクリームなどの装備が必須となっており、十分な安全確保と注意が必要です。