ベゼクリク千仏洞(柏孜克里克千佛洞)
へゼクリク千仏洞はトルファン市から東へ約45km、火焔山の中腹に位置している。高昌故城までわずか15km。新疆でも比較的大きく有名な石窟寺院遺跡の一つである。
ヘゼクリク千仏洞は南北朝時代には掘り始められていたといわれる。その後、唐・五大十国・宋・元のおよそ7世紀に渡る長い年月を経て、常に西域仏教の中心となっていた。現存する洞窟は57個、うち40個余りの洞窟に壁画が残っている。総面積は1200㎡。最盛期は回鶻人(ウイグル人の祖先)が高昌を支配していた時代であり、13世紀末に高昌王室が甘粛永昌に移され、トルファンにイスラム教が伝わると次第に仏教は衰退し、ヘゼクリク千仏洞も破壊された。さらに20世紀初頭、その後残っていたものも心ない外国人に盗み取られてしまい、現在は一部しか残っていないのである。しかしながら、これら石窟内に残る仏像や壁画は、当時のウイグル文化を知るための貴重な資料となっており、1982年国務院より重要文物保護団体に指定された。