アスターナ古墓群(阿斯塔那古墓群)

  アスターナ古墓群はトルファン市から東へ約40kmの二堡、三堡郷にある古代高昌王国の官民共同墓地で、およそ3~8世紀の間に造られた1700年以上の歴史を持つ古墓群である。
 アスターナ古墓群は、東西に長さ5km・南北に幅2km・敷地面積は10k㎡であり、それぞれの家族や苗字に分けて埋葬されている。全ての墓が斜めの参道と地中墓室を持っており、平面的には“甲”の字型に形成されているのが特徴。これら古墓群からは書物や絵画、陶器や織物などを始めとする貴重な文物がたくさん出土しており、エジプトのミイラにも引けを取らないほど保存状態の良いミイラも残っている。現在までに十数回にわたる発掘調査を行ったところ、最も古い文物は晋の秦始9年(273年)、最も新しいのは唐の大歴8年(772年)のものであった。
 アスターナ古墓群は漢族人を主として、車師・突厥・匈奴などの少数民族も一緒に埋葬されている。これは、当時の高昌王国はほとんどが漢民族であったが、他の民族とも平等であったことを裏付けている。