トルファン博物館
トルファン博物館はトルファン市の高昌西路に在り、1989年に落成し、敷地面積が9ムー(1ムーは666平方メートルになる)に及びます。建築面積が2000平方メートルに達する博物館はメインパビリオンと「巨犀陳列館」から構成されています。博物館は設備が完備され、近代的な安全保障施設も揃われています。また大型の透明式の密封した展示用コーナーも導入されています。これらの優れた設備に相応しいレベルの高い館内説明に勤めるスタッフも育成されています。現在、館内に所蔵するものが2387件にも上っています。国の一級とされた文物が135点あり、二級の文物が260点、三級の文物が640点あると言われています。博物館は新疆ウイグル自治区における二番目の博物館としてよく知られています。博物館は独特な建築様式でデザインされ、歴史的な厚みが感じられ、落ち着いています。西域らなではの民族風情を浮き彫りにしたうえ、濃厚な歴史的色彩も見せています。全体がそれぞれのニーズに応えるように、受付ホール、トルファン文物陳列館、ミイラ陳列館、巨犀陳列館、展覧ホール、倉庫などのいくつかの部分に区切られています。
トルファン博物館の展覧ホールがキャリヤの長い設計師である鐘沃徳氏の手により、設計して完成されたものです。この展覧ホールに陳列する文物が300点もあり、国の一級とされた文物が28点もあります。主な文物が赤色付きの焼き物と素焼きの焼き物を代表とされ、いずれも地域の色彩豊かな特色を持つ文明の早期において形成された文化遺跡です。大量に陳列されるシルク製品が古代シルクロード文化を垣間見ることができる代表的なものです。錦、絹、糸などの製品が並べられ、西域16国時代に登場した「共鳴鳥」の刺繍模様や唐代の花鳥刺繍模様などがまたとない珍しい宝物です。更に世間でよく知られるトルファン盆地で出土された書類文物として契約書や戸籍帳、役場書類、個人の手紙などがあり、三国時代から唐代にかけての歴史や古代少数民族の文字などを研究するための貴重な資料となっています。
トルファン博物館に所蔵される文物と言えば目を見張るものばかりです。これらの文物がすべてトルファン辺りで出土したものであり、旧石器時代から近現代にかけてのものが含まれています。文物はトルファン地区を治める歴代の政治、経済、社会、軍事、文化などを知るための縮小した百科事典だと言われます。博物館を構成する展覧部分は、トルファン地区の出土した文物陳列館、ミイラ陳列館、巨犀の化石陳列館に分けられています。
ミイラ陳列館は最も神秘的な色彩を持つ、そして人気を集める場所です。ここに11体のミイラが陳列され、春秋時代から清代にかけてのものと考えられます。人類学や考古学、医学などだけではなく、特に新疆地区の歴史を研究するうえ、この上もない価値があります。
巨犀の化石陳列館は1996年にメインパビリオンを基礎にした上、増築した近代的な大型の展覧ホールです。200万元を投じて造った巨犀の化石陳列館は1997年8月、正式に開放され、北西地区におけるもっとも大きい自然博物館でもあります。巨犀の化石は1993年、蘭州~新疆鐡道の複線を拡張する工事現場の飛躍駅で出土されたものです。研究によると、巨犀は陸地で生存した最も体の大きい哺乳動物だったと分かりました。今まで2400万年前の暫新世に生きたとされ、体長が9Mあり、体重がやく300トンにも上るとも言われました。この巨犀の化石陳列館の増築と開放により、トルファン博物館の内容が大いに拡充されたばかりではなく、トルファン地区の一大風景ともなっています。巨犀の化石はトルファン博物館の掛け替えのない宝物だけでなく、今まで世界で出土された同類のものにしては一番、完璧な骨組みの化石だといっても過言ではないです。
このほかに、トルファン博物館には珍しい楽器である箜篌(立て琴)と鎮墓獣が珍重されています。箜篌(立て琴)は車師時代の弦楽器であり、?善県の海洋墓地から出土されたものです。箜篌(立て琴)は共鳴胴、棹、糸巻き板、弦からなっています。共鳴胴が棹と繋がり、ポプラの丸木で完全に彫ったものです。棹の頭に五本の弦を止めた跡がはっきりして残っています。鎮墓獣が唐代の物とされ、阿斯塔納古墓群から出土したものです。泥で細工されて頭が虎、体が豹、尻尾が狐などの形をして蹲る格好をしています。背中にきれいな木の板が付き、色が鮮やかで目を奪うほどです。