大雁塔
西安のシンボルである。
大雁塔は西安市和平門外から4キロの慈恩寺内にあり、初期は慈恩寺塔と呼ばれていた。652年(唐の時代)に玄奘(西遊記)が創建し、インドから持ち帰った仏典を納めた。初めは5階の塔であった。のち、武則天が建て直したが、戦火のため破壊され、五代後唐の長興年間に修築されて現在の7階建てとなった。高さ64メートル。レンガ造りだが木造建築を模して造られた。 内部には螺旋階段が最上階まで続いている。各層には上部の丸い形をした窓があり、そこから遠景を眺めると西安の街を一望することができて、楽しいことである。塔の最下層にある2つの廚子には「大唐三蔵聖教序記」と「聖教序」の碑が置かれている。四方の門の上部に唐の時代に刻まれた仏像や天王像などの浮き彫りが施されており、唐代の書法、絵画、彫刻を見ることができる。特に西側の門上部の「線刻殿堂図」は唐代の仏教建築を知る上で貴重な史料となっている。