香積寺
香積寺は西安から約17.5kmの長安区西南神禾原に位置し、唐中宗神龍二年(706年)に、善導法師を記念するために建てられた。この寺は浄土宗の発祥地とされていて、「天竺に衆香の国あり、仏の名は香積なり」という伝承から「香積寺」と名付けられた。
現在、寺内には唐代(680年)に建てられた善導塔がある。塔は青い磚で建てられ、壁の厚さが2m、平面は四角で木の構造を模倣している。塔は長年修理されず、現在は11階まで残っており(元は13階建て)、高さは33m。塔の周りに半裸の古佛が12基あり、彫刻は精巧に作られている。清代乾隆年間には、この塔の四方に「金剛経」が楷書で刻まれ、塔門には「涅槃盛事」という四文字の額が石刻ではめ込まれている。 日本浄土宗の開祖、法然上人は善導の継承者であり、「三国七高祖」の一人である。法然によって香積寺は日本の浄土宗信者の発祥地とされた。日中国交回復後、日本の浄土宗信者を始め、各界から続々と香積寺に参拝し、善導塔、大殿の修築、改築も急ピッチに進んだ。日本から贈られた善導法師像は新築された大殿に安置されている。
今、香積寺は単に浄土宗の発祥地としてだけではなく、日中両国の友好の絆としての役割も果たしている。