草堂寺
草堂寺は西安市戸県圭峰山の北麓に位置している。東晋末期に建てられて、すでに1500年の歴史がある。東に淄水を臨み、南に終南山圭峰、観音峰などの高峰に隣接している。現存の草堂寺は東晋十六国時代の後秦国逍遥園の一部である。後秦国の姚与国王は仏教を崇め、401年に亀兹(現在の新疆)の高僧クマラジューを長安に迎え、高僧クマラジューは逍遥園で仏経を訳した。当時は粗末な小屋にわらぶきの屋根で「草堂」と呼ばれていた。これが草堂寺の由来である。
草堂寺最大の「逍遥三蔵殿」の西側には六角護塔亭があり、中に草堂寺で最も貴重な「高僧クマラジューの舎利塔」を配置している。クマラジューはインド人で七歳で出家し、経蔵?律蔵?論蔵の三蔵に精通してきた。その後、数多くの経典を訳し中国仏教四大翻訳者の一人に数えられている。
秋冬の朝は、ここで「草堂煙霧」という関中八景を見ることができる。井戸の中段に石が突き出ていて、そこに蛇が蟠っているのが見えるたびに煙のような霧が井戸口から舞い上がり城の西南に漂った、という言い伝えがあり、これは「草堂煙霧」の由来となっている。実際の煙霧はおそらく地熱によるものであると考えられている。