達磨洞
初祖庵の背後の五乳峰の中腹に達磨洞という洞窟がある。達磨が9年間、壁に面して坐禅したところと伝える。
石洞はひっそりとしていて、深さは約2丈・広さは1丈で、入り口は西南を向いている。洞窟の壁は掘った痕があり、水面の波紋に似ている。洞窟の外には石坊があり、明代に乾清宮の宦官だった胡斌が建てたもので、表面には『西來肇迹』、裏面には『默玄處』の3文字が刻まれている。西側の石壁には、明代の長垣人である蘇民望の七言絶句が刻まれている。『西來大言誰能竅/五乳峰頭九載功/若道眞詮塵内了/達磨應自欠圓通』。 面壁洞の西の傍らに穴が一つあり、下から上に穿ってある。伝えるところでは、これは火龍洞で、達磨が洞に入った後を火龍がついて来てここに隠れたのだという。 面壁洞の東2里のところに険しい谷がある。渓谷の水は綺麗で、水の流れは折れ曲がっている。ただし、今は干上がって水はない。それでも、夜遅く静かに聞いていると、石の中からさらさらという音が東から西へと去っていくという。もしかして地下水が流れているのかも知れない。