三峡ダム

  長江水利資源の開発のため、宜昌市三斗坪でまもなく超大型の三峡ダム主要工事が開始される。三峡ダム工事では、コンクリートの堤防、河床部の排水施設、水力発電所及び通航施設などの建設を行う。ダム完成後長江の水位は約100m上昇し、峡谷に湖があらわれる。三峡ダムプロジェクトは1994年12月14日に着手され、1997年11月に川が塞き止められ、2112年に全ての工事が完了する予定だ。総工事期間は18年間、投資金額は900.9億元に達する。ダムの最高地点は海抜185m、全長2300mで、初期の貯水水位は165m(2006年)、最終貯水水位は175m(2009年)を予定している。2003年に水位が135mに達したとき、複線の5級閘門を運航した。ダム面積は1084㎡、総貯水量393億㎥、洪水調節容量221.5億㎥、水力発電所の設備容量は1768万kW、年間発電量は840億kW/時間であり、2006年に最初の発電所が発電を開始する。
 調べによると、三峡ダム区域で水没が見込まれるのは、国家保護文化遺産で千年の歴史ある貴重な水文資料の白鶴梁や、省級保護文化遺産5ヵ所、県級保護文化遺産10数ヵ所。また、四川省豊都にある鬼城は水上に孤立して鬼島となり、石宝砦は水中楼閣に、張飛廟は移転され、奉節は全域が水没し、白帝城は孤島となる。峡谷の景観についてふれると、夔門の雄大さは失われ、巫山の天候の変化も予測が難しくなると思われるが、一方で西陵峡は穏やかで静かな景観になるだろう。だが物事には悪い面と共によい面もある。全長2000mもの三峡ダムが完成すれば、雄大で壮観な水上長城として国内外の観光客を引き付ける新しい観光スポットになるだろうし、これまで人の出入りが難しかった長江両岸の支流も、水位が上昇した後は新たな観光名所になり、水上に多くの小島が浮かぶ美しい湖が出来上がるだろう。すなわち今日の三峡の雄大さは、まもなく秀麗さに変化するのだ。三峡の雄姿を見納めたければ、早めに訪れることである。