飲馬池

 漢中の飲馬池は東湖ともいわれ、漢中市の東南部に位置する面積6358㎡の湖です。伝説では漢の時代の皇帝・劉邦の軍が漢中に入った時の馬の給水場として使用されていたことからこの名で呼ばれるようになり、2000年には市の重要文化財に指定されました。飲馬池の周囲には柳が茂り、建物が湖面に映りこむ漢中市内で有名な名所旧跡の一つになっています。現在、残されている石碑に「神龍能作倉生雨 飲馬長懐赤帝風」というものがあります。また、清の時代の書物『漢中府志』には有名な東塔西影が記載されており、「東塔の影は湖面に映りこみ、東塔の高さと塔湖の距離から数学と光学の原理を利用して、湖面に塔の影が見える時間を計算することができる」ということを意味しています。他にも「漢陽蕭寺塔 飛影入東湖」の詩には、東湖には美しい自然景観があることを記されています。近年、建築物の高さが上がり、「東塔西影」の景観が生れなくなりました。飲馬池の近くにある三台閣の外観は色が艶やかで、中国の古代建築の民族風格と人民の知恵を表現しています。