金殿風景名勝区
金殿風景名勝区は昆明市から北東7㎞の鳴鳳山に位置し、明の時代に建立された道教寺院があり雲南では道教の聖地として有名です。銅で作られた道教殿宇が金色に輝いていることから「金殿」の名で呼ばれています。世界園芸博覧会の開催に際し、寺院の改修に加え「昆明園林植物園」や「金殿博覧苑」などの新しい景区を開発されました。これにより豊富な観光資源を有し、国家AAAA級の観光スポットに認定されています。
鳴鳳山の麓から一天門までは72段の階段、さらに一天門から二天門までは36段の階段が続き、道教の天?72神と地?36神、合わせて星神108神を意味しています。そして三天門をくぐると「太和宮」の門があり、一年中春が続くという意味を持つ「鸚鵡春深」の四文字が刻まれており、鳴鳳山は別名「鸚鵡山」ともよばれています。先へ進むと「欞星門」とよばれる門があり、孔廟によく見られる造りをしています。門の両脇には仏教における青獅と白象の像が置かれ、上には道教における「洞天福地」の額があり、儒教?仏教?道教が共存している道教の思想を窺うことができます。
「欞星門」を過ぎると、「太和宮」の主殿「金殿」が建っています。かつて道教を深く信仰していた雲南巡撫?陳用賓が夢の中で仙人の指摘を受けたことから、明の万暦30年(1602年)に鳴鳳山を道教の洞天福地として寺院を建立しました。太和宮と金殿の建築様式は武当山天柱峰を参考したと言われ、明の崇禎10年(1637)には金殿が賓川県の鶏足山に移されましたが文化大革命の際に崩壊してしまいました。現在の金殿は清の康煕10年(1671年)に平西王?呉三桂により建立されたものです。金殿は1.5mの大理石の土台として建てられ、高さ6.7m、幅7.8m、屋根瓦や梁、柱、窓、扉、殿内の神像、対聯や扁額、調度類におけるまで全てが銅で造られており、その総重量は250tに達します。中国国内の金殿の中で最重量且つ保存状態が良いものだとされています。方形の殿内は16の柱に支えられ、窓の扉に精巧な透かし彫りで龍、鳳凰、花草などが配されています。また、高さ1.5mの真武大帝像を中心に金童玉女、水火両神が安置され、当時の雲南における鋳造技術の高い水準を示しており、国の重要文化財に認定されています。
金殿から階段を上ると鳴鳳山の山頂に至り、1983年に銅鐘を保護するために建てられた鼓楼があります。この鼓楼は3階建てで、各階ごとに弓状に反り上がった12の軒反りがあり、まるで鳳凰が飛び立つように見えます。鼓楼内には明の永楽21年(1432年)に鋳造された雲南の最大の銅鐘である高さ3.5m、直径2.3m、14tの銅鐘が吊るされています。この銅鐘はかつて昆明の宣化楼にあったもので、20㎞離れたところまで響き渡り時を告げていたそうです。鼓楼が完成した後に現在の場所に移され、この場所からは昆明市が一望でき、近くにある金博ロープウェイは昆明世博園とつながっています。
金殿の北側には金殿文物陳列館があり、銅器、磁器、書画などが展示され、20㎏の銅造七星宝剣や呉三桂が使用していた刀などが有名です。さらに陳列館の西側には中国金殿博覧苑があり、苑内には北京の万寿山、湖北の武当山、山西の五台山、山東の泰山の金殿が2分の1の大きさの木造建物として再現されています。
金殿の南門を出ると「ツバキ園」があり、33ヘクタールを誇る昆明園林植物園にある12エリアの1つで、300種1万本のツバキが植えられ、その規模は中国国内でも最大を誇り金色ツバキなどの珍しい品種も栽培しています。