大観公園

大観公園は昆明市から南西に2㎞離れた庭園式公園で、滇池の北に堤で区切られた草海という湖の北端に位置し、西山の太華山と滇池を隔てて向かい合っています。園内にある大観楼は清の時代から多くの文人墨客が訪れ、その美しさを詠っています。中でも孫髯翁が詠んだ180文字に及ぶ長聯は有名で「天下第一長聯」と称えられています。2005年に国家4A級の観光地に指定されています。
大観公園周辺はかつて近華浦と呼ばれ、太華山に近い水辺の意味を持っています。康煕29年(1696年)に雲南巡撫の王継文が堤を築き、湖畔に2階建ての木造楼閣を建造しました。道光8年(1828年)には3階建てに修築され、咸豊3年(1853年)に咸豊皇帝から「拨浪千層」の扁額を賜り、現在では大観楼の正門の上に掲げられています。その後の火災で焼失してしまいましたが、光绪9年(1883年)に雲南总督であった岑毓英により修復され、現在に至ります。また、民国7年(1918年)に牌坊式の大門が新築され、書道家?孫鋳氏により「大観楼」の文字が書かれ、民国19年(1930年)に園芸大師の張鶴清氏が招請され、長堤や石橋、湖内に石の灯籠を築き、杭州の西湖をモデルに「三潭印月」などの景観を作り出しました。
楼閣からは西山と滇池を眺めることができ、そこから見える景観の雄大さから大観楼と名づけられました。その後、澄碧堂、華厳閣、湧月亭が建造され、大観楼は昆明を代表する観光スポットとなりました。大観公園は近華浦古典園林景区、南園中西融合園林景区、西園現代園林景区からなり、総面積は50ヘクタールにおよびます。大観楼のほかに大型遊園地、広さ4500㎡を誇る盆栽苑などがあり、大観公園から西山、雲南民族村までは高速のモーターボートが運航しています。

近華浦
 大観公園の牌坊大門を通り、ブーゲンビリアのアーチをくぐり抜けると、「近華浦」の文字が刻まれた重檐式門楼が見えてきます。近華浦は大観公園の中央部にあり、三面が湖に面し、湖の周囲を歩くことができる遊歩道があり、東屋や「楼外楼」という石船などが湖畔に浮かんでいます。大理石で造られた石橋と長堤は湖にその姿を映し出し、堤に沿って植えられた青々とした柳の木が風に揺れます。湖には3つの石灯籠が配置され、その景色は杭州西湖の「三潭印月」を思わせます。近華浦の北と東には大きな蓮の池があり、夏になると蓮の花を観賞する名所として有名です。

彩雲崖
近華浦の門楼の先には「彩雲崖」という築山があり、1930年に園芸大師である張鶴清が作ったもので、築山の美しさ「透」「漏」「瘦」が見事に表現されています。

大観楼
 「彩雲崖」の空洞を過ぎると視界が開け、有名な大観楼が聳え立っています。大観楼は黄色の瑠璃瓦をかぶせ、反り上がった軒が三重に重なり、咸豊皇帝から賜った扁額が正門の上に掲げられています。
入口の両脇にある青い額に金色の楷書で書かれている書は乾隆年間の昆明名士?孫髯翁が詠んだ長聯です。長聯は180文字あり、「天下第一長聯」と称えられ、中国文学の中でも重要な位置にあります。上聯は昆明の美しさを賛美し、下聯は雲南の数千年の歴史を振り返り、物思いに耽っています。孫髯の長聯は中国国内で高く評価され、中国十大名楼の一つとして広く知られるようになりました。
階段を上り、大観楼の三階にいたると視界を遮るものもなく、滇池と西山の美しい景色が目の前に広がります。かつての文人墨客もこの場所に立ち、絶佳の眺望に感銘を受けて多くの名文を残したとされています。