九龍瀑布
羅平県は昆明市から東に230㎞離れた雲南省最東端に位置し、ちょうど雲南、貴州、広西の3省の境界に位置します。その名を「菜の花の里」と言われる羅平県は瀑布王国でもあり、県内にある九龍瀑布は4kmの間に10段の滝が連なる壮大な景観を持ち、中国六大名滝の一つに数えられ、その中でも最も美しい瀑布といわれています。
九龍瀑布はかつて地元のブイ族に「大畳水」と名付けられ、羅平県の北約20kmの以堵勒村に位置し、羅平の母なる河と称される九龍河の上流となっています。独特の地質構造と水の浸食によってできた九龍瀑布は4kmの間に大小さまざまな滝が10段にわたり作り出され、その間には淵と浅瀬が交互に並び、「雄 険 奇 秀」の4つの特徴があるとされています。春は菜の花、夏は深緑、秋は紅葉、そして雨期は豪快に、乾季は繊細に、季節やその時期の水量によって変化に富んだ表情を見せてくれます。
「九龍十瀑 南国一絶」の石碑がある入口から橋を渡り、川上に進むとケーブルカー乗り場に辿り着きます。ここでは滝にそって歩道も作られていますが、ケーブルカーで展望台まで上がり、降りながら滝を見るコースがよく活用されています。
毎年旧暦の2月2日には、付近のブイ族、スイ族、ミャオ族の若者たちが集まり、歌や踊りを披露しあいながら、一つの出会いの場となる「対歌祭」が開催されます。
一目十瀑
全長500m、高低差180mのケーブルカーは約5分で展望台に到着します。展望台から景色を見下ろすと九龍河が龍のようにくねくねと曲がり、情人瀑布、神龍瀑布など10の滝が美しく流れ落ち、まさに「一目十瀑」の景観を呈しています。情人瀑の先にある遊歩道の終点にはカルスト地形の山々に囲まれた平地に田んぼが広がり、1月中旬から3月中旬まで菜の花が一斉に咲き乱れ、「菜の花畑」と「一目十瀑」はこの地の二大景観であるといえます。
情人瀑布
情人瀑布は高さ43m、幅35mの滝が水量と大きさが異なる左右に分かれて流れ落ち、その様子が恋人同士のようであることから「情人瀑」と名付けられました。左の滝は水量が少なく繊細な女性で、右の滝は水量が多く豪快で男性とされています。
神龍瀑布
神龍瀑布は高さ56m、幅112mと九龍瀑布で最も大きいもので、水のカーテンの後ろには直径10mの洞窟が形成されています。また、神龍瀑布の前には高さ3~11m、幅70~160mの滝が4段に連なっており、滝、淵、浅瀬が順に並ぶ迫力のある景色を作り出しています。神龍瀑布は雨季と乾季で景色が異なり、雨期には大量の水が真っ直ぐに流れ落ち、数㎞手前からも滝の轟音が聞こえ、滝の近くでは叩きつけられた水しぶきが飛び散り、太陽の光に照らされて美しい虹がかかります。乾季には水量が減り、崖から分かれて流れ落ちる透き通った滝は数本の白絹が崖から垂れているように見え、周囲に広がる色鮮やかな紅葉とのコントラストは美しく描かれた一枚の絵画をその目にしているようです。