翠湖公園

翠湖公園は昆明市にある五華山の西麓、市街地の雲南大学正門と道路を挟んだ向かい側に位置し、地元の人々や観光で訪れた人々の憩いの場となっています。総面積22ヘクタール、阮堤と唐堤によって5つのエリアに分かれており、堤には多くの柳が植えられています。また、ほとりには観魚楼、湖心亭、海心亭などの楼閣が点在しており、色鮮やかな花々が四季を通して一年中咲き乱れます。そして、夏は湖面に蓮の花が広がり、冬は湖面に万を超えるユリカモメが湖面を飛翔する姿も見受けられます。

かつては滇池の湾入でしたが、滇池の水位が下がると共に湖となり、9の泉が湖の東北にあることから「九龍池」とも呼ばれていました。明の洪武15年(1382年)に雲南鎮守?沐英が別荘を建設したのを始まりとして、清の康煕初年に平西王?呉三桂が王府を設置しました。康煕31年(1692年)に、雲南巡撫を務めた王継文が湖の中心に湖心亭、北岸に来爽亭を築き、翠湖公園は景勝地となっていきました。その後、嘉慶元年(1796年)には蓮華禅院が造られ、同治6年(1867年)に同治皇帝から「妙涌蓮現」の扁額を賜っています。さらに、道光15年(1835年)に雲南総督?阮元が南北方向の「阮堤」を築き、放生池のほとりで碧漪亭を建て、1919年には雲南省主席である唐継尭が東西に走る「唐堤」を築きました。このように翠湖公園は長い歴史と共に時を歩み、文化を築き上げてきました。

観魚楼
蓮華禅院、湖心亭とも言われ、湖の中心にあります。反り上がる黄色の瓦屋根を持つ碧漪亭を中軸とする清の時代の建築群は曲橋、回廊と楼閣が相連なっています。碧漪亭の西側には蓮華禅院と放生池があり、池に錦魚などの鑑賞魚が悠々と泳ぎ、それを見ながら散歩する「濠上観魚」という清の時代に有名な昆明の景観が再現されています。

西南島
公園の西南にある小島でその形状は瓢箪が似ていることから「葫蘆島」とも言われ、棕櫚やバナナの木が生え、緑の絨毯のように草花が生い茂っています。また、島の中心広場には中国国歌を作曲した聶耳氏の塑像が立っています。

水月軒と金魚島
3つの半島から構成され公園の中心に位置します。水月軒には柳並木が続き、下にはベンチが並べられていて、早朝から太極拳や踊りに興じる人で賑わいます。また、東屋では胡弓を弾いたり、合唱したりするお年寄りの元気な姿がよく見られます。湖のほとりにはカモメをテーマとした彫刻が据えられています。橋を渡ると金魚島に移り、緑豊かでゆっくり静かな時過ごすのに最適な場所として親しまれています。

九龍池
公園の東北部には9つの湧き泉が存在し、かつての昆明市における上水道の発祥地としての歴史を持っており、九龍池周辺は1917年に建設された昆明市第一水道工場地で、現在は当時の関連施設や資料、写真などを展示する「昆明自来水歴史博物館」が設置されました。

翠湖嬉鴎
1985年以来、毎年11月から2月にかけてシベリアから何千、何万のユリカモメがこの地に飛来し、湖面の水が見えないほど白い翼で埋まり、「翠湖嬉鴎」は昆明の有名な景観となっています。また、カモメは翠湖公園の代名詞と言われるほどで、湖のほとりには「少女とカモメ」「カモメのおじいさん」などの石刻や銅像があり、いずれも市民がカモメと親しむことをテーマとし、毎年冬になると昆明市の人々がカモメを見に翠湖公園に大勢訪れ、ユリカモメがこの地を訪れることができる良好な環境の保全に努める意識が市民の中にも浸透しています。