玉泉公園

玉泉公園は麗江古城から北に1㎞離れたところにあり、麗江の有名な観光スポットの一つです。玉龍雪山から流れる豊富な雪解け水が山麓の岩間から湧き出て、4ヘクタールに及ぶ泉を作り出し、泉の水が玉のように透き通っていることから「玉泉公園」と名付けられました。はるか昔、黒い龍がこの泉に潜んでいたと語られており、「黒龍潭」とも呼ばれています。黒龍潭は人々が暮らす麗江の町へ清らかな水を送り続け、ナシ族文化を生み出す聖地とされています。

龍潭映雪、トンパ文化博物館、重要文化財とされる建築物の数々は玉泉公園の見逃せない観光スポットとなっています。
龍潭映雪
大自然の中に広がる玉泉公園は「南の頤和園」と言われています。黒龍潭を中心に湖畔には得月楼、五鳳楼、解脱林、一文亭など明清時代の楼閣がたたずみ、泉の上には優雅な曲線を描く大理石の五孔橋がかかっています。晴れた日には玉泉公園から玉龍雪山が見え、玉龍雪山、得月楼、五孔橋の景観が澄んだ水面に映りこみ、絵葉書のような世界を演出しています。多くの人が訪れる絶好の撮影ポイントになっています。

トンパ文化博物館
トンパ文化は麗江ナシ族の創り出した民族文化で、トンパ象形文字、トンパ教経典、トンパ祭祀行事、ナシ族古楽、ナシ族舞踊、トンパ彫刻などがあります。玉泉公園の中にはトンパ文化研究所とトンパ博物館があり、ユネスコの世界記憶遺産に登録されているトンパ象形文字の経典が2万点収蔵され、ナシ族の生活文化に関する文物約1万点が展示されています。玉泉公園では日々、トンパ文字の経典解読が行われ、ナシ古楽や舞踊ショーなども開催され、ナシ族の文化と歴史を知ることができる場所になっています。

重要文化財建築
文物保護と観光展示のため、麗江の各地から五風楼、解脱林、光碧楼、忠義門石獅子、文明門坊、一文亭などの建築物が玉泉公園に移設され、玉泉公園は麗江の貴重文化財となっている明清建築の集大成となっています。

得月楼は1876年に造られ、1963年に一度再建されました。玉泉公園建築の中心に位置し、黒龍潭に浮かぶ4角3層の楼閣建築で「得月楼」の扁額と両脇の対句は郭沫若による親筆です。

龍神祠は玉泉公園の主要建築物で、「四合五天井」の構造を持つ典型的なナシ族建築です。龍神祠は1737年に龍神を祭って雨を願うために建てられ、1812年と1889年の2度、嘉慶帝と光緒帝から「龍神」の号を下賜されました。その後、「黒龍潭」の名前で中国の名泉として知られるようになりました。

五鳳楼は1601年に創建された歴史ある建物で「法雲閣」とも言われています。1979年に麗江の福国寺から移設された建築物です。高さ20mの三階建てで、反り上がった20の屋根がどの角度から見ても飛び立つ五羽の鳳凰に似ていることから、五鳳楼の名を付けられました。五鳳楼は中国の伝統建築を受け継いでいるとともに、ナシ族、チベット族の建築芸術の優れた要素をも吸収、融合して建てられた中国建築の傑作で、雲南省の重要文化財に認定されています。