玉龍雪山
玉龍雪山は雲南省麗江市街からの北へ15㎞の地にある金沙江の右岸に聳え立っています。最高峰の扇子陡は標高5596m、北半球で最も南に位置する万年雪の山で、未だ誰も登頂を果たしていない処女峰です。玉龍雪山は南北約35km、東西約13km、13の峰が連なり、頂上に万年雪が積もっています。その雄大な姿はまるで天空へ飛翔し金沙江に飛び込もうとする銀色の龍のようで、この名が付けられました。現在では麗江のシンボル的存在となっています。
玉龍雪山の風景は「険しさ、奇絶さ、秀麗さ」を兼ね備えており、季節や天候によって様々な顔を見せてくれます。その雪景色は高山氷河、雪解け水、高山草原、森林などの景観があり、「氷河博物館」と言われます。また、玉龍雪山は麓の峡谷から山頂にかけて亜熱帯から温帯、寒帯へ移り変わり、その多様な気候に恵まれた土地にはキンシコウ、ウンピョウ、アリクイ、レッサーパンダなど希少動物が多く生息しています。玉龍雪山の植生環境も豊富で、藻類植物は31科196種、地衣類植物は17科20種、蘚苔植物は395種、種子植物は145科3200種に及び、「植物の宝庫」とも呼ばれています。
晴れた日は雪を頂く峰々が光り輝き、麗江の各所でその神聖な姿を望むことができます。麗江に住むナシ族の人々にとって玉龍雪山は民族の保護神「三朶」の化身で神々が暮らす霊山とされています。毎年旧暦2月8日に行われる「三朶」祭りはナシ族の伝統的祭りで、人々は玉龍雪山の麓に集まり、盛大な行事を行い、「三朶」のご加護への感謝と来年の豊作と家族の幸福を祈ります。
現在、玉龍雪山景区は最高ランクである国家5A級観光区に認定されており、氷河公園、雲杉坪などの観光スポットが多くの観光客から人気を集めています。特にロープウェーを利用した標高の高いポイントでのパノラマビューは圧巻です、ただし、山頂付近では高山病の恐れがあるので激しい動きは控え、注意が必要となります。
玉龍雪山の大索道と小索道
玉龍雪山の大索道は全長2968m、標高差1150m、標高3356mの地点から標高4506mの氷河公園にかけて通じる中国で1番、世界で2番目の標高を誇るロープウェーとなっています。小索道は標高3208mの雲杉坪へ通じる、全長約1000m、標高差300mのリフトです。ロープウェーやリフトに乗っている時は垂直に分布している広葉樹林、針葉樹林、藻類植物を見ながら、亜熱帯から雪に覆われる高山帯へ移り変わる景観を存分に楽しむことができます。
雲杉坪
雲杉坪は玉龍雪山の東麓、標高3240m地点にある約1?の高地草原です。目の前に迫る玉龍雪山が横長の屏風のように聳え立ち、雲杉の原始林が広がっています。森林浴をしながら、全長698m、幅1.8mの板張りの遊歩道を歩くと草原があり、玉龍雪山が間近に見えてきます。夏になると雲杉坪では色とりどりの高山植物が咲き乱れ広大な天然牧場が誕生します。また、ナシ族に伝わる伝説の「玉龍第三国」は美しい愛の楽園といわれ、永遠の愛を貫くことができた男女の魂のみが「玉龍第三国」に行くことができ、雲杉坪は「玉龍第三国」の入り口であるとされています。雲杉坪を通り、山のどこかに楽園が広がっていると人々の神秘的な気持ちを掻き立てます。
氷河公園
玉龍雪山は北半球で最も南に位置する海洋氷河で、19の氷河が11?を覆っています。氷河公園駅から4680m地点にかけて氷河に沿って木造の遊歩道が整備され、絶壁の下に広がる「白水1号氷河」を見るための展望台も設置されています。「白水1号氷河」の全長2.7㎞、玉龍雪山最高峰?扇子陡の真下にある最も大きい氷河です。氷舌の末端に分布するセラック帯(氷塔群)は尖った氷塊は鋭い剣のように空を仰ぎ、太陽の光を反射し青く光り輝いています。