ナムチャバルワ峰(南迦巴瓦峰)

 雑誌「中国国家地理」に選ばれた中国一美しい峰であるナムチャバルワ(南迦巴瓦)峰はメトク(墨脱)県内に位置し、チベットニンティ地区での一番高い山で、標高7,782m、高さは世界高峰ランキングの第15位になります。ナムチャバルワ峰の巨大の三角形の頂上には年中雪を頂き、雲と霧が覆われ、簡単に真の姿が現れない様子から、「羞女峰」(恥ずかしがりの女の子の意味)とも名付けられました。「ナムチャバルワ」はチベット語では「燃えるような雷電」「空から落ちた石」「空に突き刺す長い矛」など幾つの意味もあります。

ナムチャバルワ峰が位置するヤルザンブ峡谷地区の地質構造が複雑で、プレートの動きが激しく、峰が聳え、地震、雪崩などが多発するため、登攀難度はきわめて高いです。1992年10月30日に中日合同登山隊が初登頂に成功したまで、長い間に人類未踏の最高の「処女峰」になっていました。
ナムチャバルワ峰はいつも雲と霧に遮られ、「ナムチャバルワ峰の真の姿を綺麗に見られる人は、福運のある人だ」と地元の人が信じています。ナムチャバルワ峰についての不思議な伝説がたくさんあります。主峰は天をつくばかりに高くそびえる様子から、天上の諸神は常にその頂上に集まり、「煨桑」(チベットで一種の線香をたく宗教儀式)をしていて、高い空に浮かんでいる雲は諸神が焼いた煙だという話などが伝わっています。頂上にはまた神宮と天に辿る道があるとも言われています。峡谷地区での住民は皆この険しい山に対し非常な尊重と畏敬を表しています。