青海省の首都である西寧市は盆地にある都市で、古くはシルクロードの南ルートといわれる唐蕃古道の要衝として発展してきた。チベット語ではスランという。
青海省というと大草原で放牧をするチベット族をイメージする人が多いと思うが、ここ西寧はイスラム教徒である回族の色合いが強い。もちろん人口の8割は漢民族が占めているが、町には白い帽子をかぶった回族の人々を至る所で見かけるし、レストランはイスラム料理を示す「清真」の名を揚げた店のほうが目立つ。そのほか、チベット族やトゥ族も数万人単位で居住している。
近郊にはクンブム(タール寺)、青海湖など見どころも多く、チベットに陸路で向かう人の多くが通過する町だ。また、中国政府の主導による西部大開発で西寧の町どんどん生まれ変わっている。
町は西から東へ流れる湟水の南側に開けているので、西寧駅からの1路か9路のバスで中心部に移動しよう。中心部は、北大街、南大街と東大街、西大街が交差した大什字で、この東西南北の通りは徒歩で充分な範囲だ。ラサまでの鉄道が開通してからは、チベット鉄道の出発点として注目されるようになった。また、町は2000mを超える所にあるため、チベット自治区に入る前の高度順応基地として滞在する人も少なくない。さらに、青海省内の見どころへの起点としても重要な町である。