西寧の民俗宗教
「世界の屋根」と呼ばれる青蔵高原に住む青海省の人々は、気候、地域の影響を受け、悠久な歴史の重みを加え、異なる民族文化の特徴が織り込まれています。その中にチベット族の分布が最も広く、土族とサラール族が青海省だけに見え、彼らの独特な風俗習慣は青海省特有の人文景観を形成しました。チベット族演劇と草原踊り、蒙古族シルムと競馬、回族の踊り、土族の安召踊り、サラール族の民居など青海高原の民族風情を呈しています。青海高原に住む各民族は、独自の祭りや文化活動のほかに地域の雑居で政治、経済、文化生活なども相互に融合しています。各民族に共通する青海地方の特色を代表する郷土文化を形成しました。代表的なのは「青海花児」です。「花児」は一種の民謡で、「少年」とも言われ、歌う男性青年は「少年」、歌う女性青年は「花」と言うことです。青海省、甘粛省、寧夏自治区の広大な地区と新疆の箇別地区に伝わって、西北の魂と称します。ここに住んでいる漢民族、チベット族、回族、土族、サラール族、蒙古族など各民族の人々は野良仕事や放牧、あるいは道歩き、暇さえあれば、いつも悠揚な「花児」を歌います。「花児」は少なくとも四百年余りの歴史があり、歴史は悠久で、曲は多く、歌手を輩出しています。「花児」は国家級の無形文化遺産で2009年9月に国連に人類の無形文化遺産に指定されました。
西寧では仏教、イスラム教、道教、キリスト教、カトリック教など五つの宗教が共存します。チベット仏教とイスラム教の影響は特に深く、タール寺は中国六大チベット仏教寺院の一つで、東関清真大寺は西北四大モスクの一つです。
タール寺は中国西北地区のチベット仏教活動の中心であり、中国及び東南アジアで有名です。歴代の中央政府はタール寺の宗教的地位を非常に高く評価しました。明の時代は寺の上層宗教人物に何度も称号を与え、康熙皇帝は「浄上津梁」の横額を賜り、乾隆帝は「梵宗寺」の横額を賜りました。バターの花、壁画、刺繍は「タール寺芸術三絶」と称され、また寺内には多くの学術書が収蔵されています。毎年行われる仏事の活働、「四大法会」は更ににぎやかであります。タール寺のバター彫りも生々しく、远くまで名を知られています。
東関清真大寺は600年以上の歴史があり、寺本体は約3000人が収容できます。教徒の礼拝を行う本堂は、面積は約1102平方メートルあります。本堂には金色に輝くチベット式溜金宝瓶が飾られています。東関清真大寺は広大なムスリムの信徒達の宗教活動の場所であるだけでなく、またイスラム経学研究の最高学府です。民国時代以来、イスラム教のイフワーニ派の創始者とその後継者は、この寺を海乙寺(即ち中心寺)とし、大量のイスラム教学者を生み出しました。マンガサイの千座モスクの開学イマームは、このモスクから選ばれたり認可されたりして、国内外で名声を得ています。