成都パンダ繁育研究基地
成都パンダ繁育研究基地は成都市外北熊猫大道に位置し、市内から出発する多くの路線バスで行くことができます。1987年に建設されたパンダ繁殖基地は敷地面積約67ヘクタールの広さを誇り、静かな環境と緑に覆われた森林に恵まれています。開設当初は6頭から始まり、現在108頭まで繁殖に成功した本基地は中国国内のAAAA観光地に指定されており、パンダを中心とした絶滅の危機にある野生動物の研究?繁殖?育成等、全国における科学教育を普及する発信基地でもあります。それと同時に全国の青少年にむけての科学教育基地としても認定されており、国連から環境保護の最高賞とにあたる「地球ベスト500」を受賞しています。
成都パンダ繁育研究基地は各年齢層のパンダを飼育するための施設、飼料室、医療室などを完備している以外にパンダ記念館やパンダ実験室も設けられています。また、空き地に何万本もの笹や灌木が植えられ、パンダの飼料として利用されています。そして記念館の中には各種貴重な資料や写真が800点も展示されており、主に四川省各地から取り寄せられた実物の標本2140種を合わせると展示総数は21450点に上ります。この記念館はわれわれ人類がパンダに対する認識と研究、保護と救助、飼育と繁殖をテーマにし、大自然にある生態の多様性を展示、宣伝、保護する総合的な博物館となっています。このようにパンダ記念館では絶滅の危機に瀕しているパンダの一億年にわたる進化の過程を見ることができ、「パンダ科学探密館」ではインタラクティブ式の技術を用いて科学的にパンダを保護する不思議な世界を体験することができます。最後に「パンダ魅力劇場」では、パンダの繁殖、成長、生息についての貴重かつリアルな場面を目にすることができます。
成都パンダ繁育研究基地はかわいいパンダにとってのエデンとなっており、かつて環境の厳しい深山密林に生息したパンダは生存が危ぶまれ絶滅の危機が叫ばれていた状況下で、この絶滅に歯止めをかけるべく誕生した重要な施設といえます。また飼育係や各スタッフの努力や細心の注意により生まれたばかりの100g足らずのパンダの赤ちゃんを見事に100kgを超えるパンダに育てることができ、生命の育成をサポートするという奇跡を実現し続けています。このような人々と動物の絆が裏にあって初めて私たちは山の緑の中に見え隠れするパンダの大家族と触れ合うことができるのです。その姿は餌を食べているパンダ、寝ているパンダ、互いに戯れているパンダ、木登りをするパンダ、親子連れのパンダなど様々で、パンダならではの愛らしい仕草に感動させられます。またパンダの生息地の中には年中綺麗に花が咲く天鵝湖(スワンレイク)があり、たまに白鳥や黒鳥がのんびりと泳いでいるのを見ることができます。
また、このパンダのエデンと称される基地には他にも「パンダ病院」「パンダ厨房」「パンダ別荘」等の施設があり、パンダ保護活動を楽しく体験することができ、パンダの「美食」を作る過程も見ることもできます。成都パンダ繁育研究基地はパンダとの温かい触れ合いを通して、その生活を直に観察することのできる場所なのです。