三星堆博物館
三星堆博物館は中国の重要文化財である三星堆遺跡の北東部、歴史文化名城である広漢市を流れる鴨子河の畔に位置し、成都からは約40㎞離れています。1992年8月に定礎式を行ってから5年の歳月をかけ、1997年10月に完成しました。敷地総面積が延べ35ヘクタールに達する博物館は、それぞれ総面積4200㎡の第一号館と、総面積7000㎡の第二号館、総面積2600㎡の観光受付センターから構成されています。三星堆博物館は文物、建築、陳列、園林という四つの特色をテーマに展開され、四川省五大観光地の一つとして推奨され、国家4A 級の観光地及び一級博物館に指定されています。さらに国内外でも有名な文物観光地としてもよく知られています。博物館は外観の設計と内部の陳列におけるまで従来の博物館の枠を超え、新たなデザインを追求した設計理念で科学性に基づき、知識と鑑賞の二面で観光客の興味をかきたてる今までない博物館が誕生しました。そして、三星堆博物館は出土した夥しい文化財の魅力や特異性をピーアルするために厳かな雰囲気の漂う祭祀台を築き、娯楽活動を行うための現代的な空間を設けました。また古典的な風格を示した建築群や多目的レストランもあり、子供が遊ぶこともできるキディランドも設備されています。博物館の付属施設として綺麗な芝生や湖面があれば、手の込んだ築山や水車も見事に整備されています。
いま現在、第一号館に出来た観光コースが長さ800mで「古城古国古蜀文化陳列」をテーマとし、全体的に第一号、第二号遺跡から出土した商代の祭祀に使われた大型の陶器、玉器、骨器、金器、青銅器など千点以上の珍しい文物が展示されています。これらの展示品は過去70年、14回の発掘にわたる考古学者や各部門関係者の努力による成果であると認められています。また中国国内で出土した文化財の中でも歴史的、科学的価値が最も高く、文化的、芸術的な価値も高いと考えられています。また、黄河文明のものとは大きく異なる殷の時代末期に長江流域で発展した文明の遺産として、世界でも鑑賞性の高い歴史大型文物群として大きな話題を呼んでいます。
三星堆博物館に展示されている千点以上の文物の中で、代表的な存在といわれているのが金器、玉器、青銅器であり、特に青銅器類は有名です。まず、第一号遺跡で出土した青銅器の中には人間の顔をかたどった「青銅戴冠縦目仮面」や人間の頭、うずくまった人間の像などがあり、これらは先祖の御霊として祭祀されたものであると判断されています。また龍の器、羊の器などが広範囲で出土し、これらも世界でまたとない貴重な文物となっています。次に第二号遺跡の中からは大型の人間の立像の器や神木など祭祀活動と深く関係のあるものが多く、その迫力に多くの人が魅了されています。
三星堆遺跡で出土した数々の文物のトレードマークとされているのが「青銅戴冠縦目仮面」にある細長で突出した人間の目の模様です。この「目」についての解釈が様々ですが、古代の蜀国では「目」がとても大事なものであったことから「目」を強調した文化が広がっていたという説や古代の蜀王は甲状腺肥大の病気に患い、目が通常より外に突き出ていたからという説などがあります。このように三星堆遺跡で出土された多くの文化財にはまだ解明されていない謎や秘密がたくさん隠されており、それが人々を魅了する要因の一つともいえます。四川省を訪れたならば、是非とも長江流域文明の源とされる三星堆遺跡博物館に行ってみてはいかがでしょう。