錦里歩行街

   錦里歩行街は四川省成都市にあり、有名な武候祠に隣接して「西蜀第一街」と呼ばれています。「錦」とは成都の町のことを指し、かつて成都は「錦城」とも呼ばれていました。全長350m、幅4m足らずの歩行街ですがその歴史は長く、早くは秦、漢、三国時代から全国にその名が知られ、現在でも成都で最も賑やかな商店街と展開されています。昔の建築様式を習い建てられた錦里一帯の建築は区画整備されて立ち並んでいます。また2005年には「中国十大都市の歩行商店街」と評され、別名で「成都版清明上河図」と喩えられ、北京の王府井、武漢の漢江路、重慶の解放碑などと肩を並べています。この歩行街は広くはありませんがいくつかの営業区域に区分けされており、その中にバー?喫茶店区域、四川風味レストラン区域、宿泊施設区域、地元工芸品区域などがあります。特に四川風味区域では四川省全土から様々な料理が集合しており、この区域でその全てを味わう事ができ、四川料理特有のスパイスの効いた辛い料理が提供されています。また、ここには四川省ならではの軽食も数多く用意されています。また四川省独特の川劇など文化観賞もすることができます。

   人や車で賑わう成都市内の大通りをはずれ奥深い歴史を忍ばせる歩行街に入ると、古風な壁、長閑な路地裏、造形美に富んだ窓の欄間など情緒ある街並が人々の心を昔にタイムスリップしたような気分にさせ、成都に残る悠久の歴史や街の人々の生活文化を感じることもできます。また、毎日夜になると錦里商店街をネオンの光が染め、昼間とは一味違う夜景に包まれた街並を満喫することができます。ここはまさしく疲れた人々の心を癒す、心身ともにくたびれた現代人にとっての「心の駅」だといっても過言ではないでしょう。