望叢祠歌合戦 旧暦の五月十五日前後
郫県はかつて古代蜀国の都です。伝説によると、望帝が官職を辞して山に就き、ホトトギスになったそうです。毎年ツツジが花を咲かせるため、二月頃に成都平原に飛んでき、農民たちに早く春耕をするように日夜止むことなく鳴き、口から血が出るほど催促し、山にあるツツジの花が赤く染められ、蜀人は望帝の魂が帰ってきたと思っていたそうです。これは民間で伝えられている「杜鹃啼血」の話です。郫県城もそれで「鹃城」と呼ばれてきました。
後代の人が望帝を記念するため、毎年旧暦の五月十五日前後に鹃城歌合戦を行い、会場は望叢祠にしています。歌合戦に参加する人はすべて当地育ちの農民で、主に民謡を中心にして歌っています。民謡を唱するのは四川で「民謡を叫ぶ」とも言います。ほとんどは自分で歌詞を作り歌っているため、濃厚的な農村の雰囲気が感じられる祭りです。