洱海
洱海は大理市を南北に縦断する湖で、雲南省で2番目の面積を誇る海抜1980mの高原に位置する淡水湖です。南北に長い形をしており、南北約40km、東西に幅が狭いところで3km、広いところで9kmあります。湖の形は少し曲がっており人の耳の形に似ていて、さらに湖面が広く白波が立ち海のように見えることから洱海と名づけられました。湖の面積は約246?、水深は平均11m、最大水深は20mほどあります。洱海は山に囲まれており、蒼山の峰々の間を通る18の川から水が流れ込み、外部に流れていく川は大理市下関鎮の西洱河のみで、西洱河の谷間を伝って吹いてきた下関の強い風は水面に波を生み出し、その光景は西洱河から洱海に逆に水が注いでいるように見え、面白い景観を演出しています。洱海の上空で輝く月は大理の四大自然風景の一つで、洱海から見る月は特に大きく、その美しさは現地で船に乗り洱海の湖面に揺れる月も合わせて楽しむことができます。また、透明に澄んだ水を有することから「高原の輝く真珠」と言われます。
洱海は豊富な水と肥沃な土地、豊かな森林と水産物、優れた文明を生み出す条件に恵まれ、新石器時代の遺跡が洱海の周辺で数多く発見され、4000年以上の長い年月の間ペー族の先祖が洱海に住み、その肥沃な土地を開墾してペー族の文明を創り上げていったと推定されています。その後、南詔国や大理国も洱海を生活の場として利用してきました。
「下関から吹いてきた風が上関の花を撫で、洱海に映る月が蒼山の雪を照らす。」
これは大理に広く伝わっている詩句で、「風花雪月」と呼ばれる大理の四大自然風景の中で最もやさしく、ロマンチックなのは洱海だと言われています。また、地元の人々からは「大理の耳」といわれ、悩んだこと、悲しいこと、寂しいことがあった時に洱海のほとりを歩くとその壮大な景観に不思議と心が落ち着くそうです。
洱海に浮かぶ島々
金梭島
洱海の島の中で最も大きい島で、金色の紡錘のようなのでこの名が付けられました。島の全長2000m、幅370m、面積は740000㎡あり、200戸のペー族漁民が居住しています。ここでは地元住民の生活を垣間見ることができます。また、かつて南詔国国王の別荘があった島で、避暑宮殿遺跡が今でも残っており、船の上からもその壮大な姿を見ることができます。
小普陀島
小普陀島は洱海の小島と言われます。周囲は200m、この土地は石灰岩で形成され、その形状は印鑑のように見え、伝説では観音様が洱海を鎮めるために残した印鑑であると伝えられてきました。島にある石段を登ると観音様を祭る観音閣が建っています。これは明の時代に漁民が創建した後、1982年に再建されました。観音閣の二階からから見える洱海と蒼山の眺めは特に美しいと言われています。また、この島にある普陀山は観音様の霊場とされています。この島を小普陀と名付けたことからも観音信仰が大理の民の生活の中に深く浸透していることがわかります。
南詔風情島
洱海を王冠だとすると南詔風情島は王冠の真珠だと言われます。南詔風情島は洱海にある3島の中の一つで、石灰岩で形成されています。この島には洞窟がおおく、洞窟内の面積は最も大きいもので60㎡もあります。島中にサボテンなどの熱帯、亜熱帯の植物が生えており、百年を越えるジューマロの木もあります。近年、大掛かりな観光開発により、洱海の最も賑やかな島となっています。観光客が4階建ての大型観光船で洱海を周遊する際は、その多くがこの南詔風情島に立ち寄り下船して散策します。島の上には高さ17mの大理石でできた観音像が建っており、周囲にある数多くのレリーフに囲まれています。また、島内の主要建築物である南詔行宮は、敷地面積が約8000㎡を有し、唐の宮殿建築を基にチベットとペー族の建築要素も取り入れてデザインされたものです。島の広場にはペー族の神話彫刻と本主信仰の彫刻が立ち並び、人々は島の自然風景と民族文化を満喫しながら、気ままに観光することができます。