蒼山
蒼山は「点蒼山」とも言われ、雲天の下に広がる森林のくすんだ色から名づけられました。蒼山は洱海西岸にそびえ立ち、南北約42km、東西約25km、南北を横断する雲嶺山脈の南端の主峰です。蒼山では雪、雲、泉、石が四絶と称され、蒼山を構成する4つの重要なポイントとなっています。蒼山は海抜3000m級の峰が19も連なり、最高峰である馬竜峰は標高4122mを誇り、万年雪に覆われ光り輝く雄大な姿で知られています。蒼山に積もる美しい雪は洱海の月とともに大理を代表する絶景に数えられ、一年中雲がかかる高原気候なので刻々とその姿を変化させる雲は蒼山の神秘的な世界を感じさせます。また峰と峰の間から18本の渓流が東の洱海に流れ込み、澄んで豊かな水が石の間を年中流れ、ところどころで数メータ―の滝を作っています。大理は大理石の産地としても有名で、もともと「蒼山石」と呼ばれ蒼山から切り出されました。このことから大理石は蒼山の魂だと言われます。さらに、蒼山は年中植物に覆われ、高山樅、ハイマツ、ツバキ、ホトトギスなど種類が豊富で亜熱帯植物から寒帯植物まで見られます。
蒼山の「「望夫雲」と「玉帯雲」
「望夫雲」は冬の終わりから春の初めに蒼山山頂付近にかかる雲のことで、その雲の形状がまるで恋人を思い詫びる南詔国のお姫様のようであることから「望夫雲」と呼ばれています。実はペー族にはに南詔国のお姫様と猟師が恋に落ち、身分の違いから許されず猟師は洱海の石に、お姫様は蒼山に変えられてしまう、という悲恋の物語が伝わっており、「望夫雲」が出ると雨が降る前兆として、洱海の漁師は海に出ないというしきたりがあるのです。
「玉帯雲」は夏の終わりから初秋のにかかる雲のことで、蒼山の中腹に真綿の帯のような細長い雲が漂い、天気がいい時に出る雲です。「玉帯雲」が多く現れるとその一年は五穀豊穣だと言われています。
玉帯雲遊路
玉帯雲遊路は蒼山海抜2600mに位置する遊歩道で、ここはよく先に述べた「玉帯雲」が現れるポイントとされ、玉帯雲遊路を大理古城の方向から見るとまるで銀の帯が伸びているように見えます。遊歩道は道幅2m、全長18kmの石畳道で、周囲は松の香りに包まれて、大自然を全身で感じながらハイキングが楽しめます。また玉帯雲遊路には見どころも多く、桃溪渓、中和寺、鳳眼洞、七竜女池、青碧渓、感通寺などの名勝地へ行くこともできます。
感通ロープウェイと中和リフト
感通ロープウェイは感通寺の近くから出ている6人乗りのロープウェイで、全長2600m、終点の青碧渓まで高低差が500m近くあります。感通ロープウェイで上っていくうちに、どんどん視界が開け、洱海、大理古城、崇聖寺三塔など大理の観光要所を一望することができ、途中で雄大な蒼山大峡谷の景色をその目で楽しめます。
中和寺リフトは中和峰が麓が起点となっている2人乗りリフトで、全長1668m、中腹にある中和寺へ向かいます。青く澄んだ美しい洱海全体を望むならば中和寺リフトを利用するのがいいとされ、中和寺からは玉帯雲遊路が続いています。