迪慶(シャングリラ)の民族風情

   シャングリラは雲南省、四川省、チベット自治区の三省の中心で、有名な「三江併流」世界自然遺産の奥地です。地勢は西北が高く、東南が低く、チベット族、ナシ族などの民族が居住して、多種宗教が共存し、各種文化が融合する高原山岳地帯です。1930年代、英国の作家ジェームズ・ヒルトンの有名な小説「消えた地平線」に登場したシャングリラは、やがて同名の映画が上映され、アカデミー賞を受賞したことで世界に知られるようになりました。シャングリラはチベット語で「心の中の日月」の意味で、ここは草原が広がり氷河や湖も多いだけでなく、神秘で濃厚な民族文化が見られ、国内外から観光客を引きつけています。


   シャングリラも仏国神域として有名で、境内にはチベット仏教のほか、キリスト教、イスラム教、東巴教、カトリック、道教、地元の宗教などがあり、各宗教は専用の布教場もあります。宗教意識の影響が深いため、ここの人々は万物に生命と霊性があると信じていて、「人神共存、天人合一」の民族文化を形成しました。ここのチベット族はほぼ全員がチベット仏教を信奉しており、チベット族の心の中で極めて重要な地位を占めています。至るところに金色に輝く寺院があり、最も有名なのは「小ポタラ宮」と呼ばれる松賛林寺です。


   シャングリラに住む人々は「話すと歌で、歩くと踊りで」と言われ、シャングリラは「花の海、歌と踊りの世界」と称賛されています。民間歌舞の種類が豊富で、独特な味わいがあり、有名な歌舞の里です。主は、中甸の鍋庄踊り、ニシの情舞、五境の熱巴踊り、ナシ族のアカバラ踊り、イ族の葫蘆笙踊り、リス族の対脚踊りがあります。


   シャングリラ各民族の主な祝日は、旧暦5月5日の競馬祭、デンバ祭、格冬節、ナシ族の「2月8日」、イ族の「松明祭り」などがあります。競馬祭はチベット族が春で盛大な集会を行い、旧暦5月5日端午節句の前後、普通は3日間続きます。シャングリラ競馬祭は各民族の最も盛大な伝統民俗の祝日です。デンバ祭はチベット族農業地域の伝統祭りでその時、老若男女は晴れ着を着て、集団で山神を祀り、災厄を取り除き、五穀豊穣を祈ります。格冬節はチベット仏教寺院の鬼払い宗教活動で、四日間続き、一日目は予行演習、二三日目は読経法会、四日目は仮面踊りで神秘的な雰囲気が漂います。旧暦2月8日はナシ族の最もにぎやかな祝日で、祭りに駆けつけた参加者は何万人に達します。人々はまず鶏を殺して天に供え、各種の神を祀って、それから歌ったり踊ってたりして、とてもにぎやかです。イ族の「たいまつ祭り」は各族の男女の青年は松木で作ったたいまつに火をつけて、村の田んぼに行って、歩きながら松香をまきます。あるいは集会で、歌って踊って、あるいは競馬、闘牛、シルムを行います。