靖江王陵
中国でも数少ない完全な形で現存している明代藩王「靖江王」の墓群です。堯山の西麓に位置し、王と将軍や藩王親戚のお墓など320余りがあり、その内11人の靖江王が埋葬されていて、その規模の大きさから北京の十三皇陵と並べて論ざれることが多く、靖江王十一陵と言われています。
王陵の石刻儀仗隊は、観光と研究の一つのポイントになっています。現存するのは334個で、柱や墓道碑、猛獣などの形をしており、彫刻技術も多種多様で、線彫りや半浮彫、浮彫などが見られます。時代や観る角度によっても様々な風格があり、それに靖江王族の280年余りの歴史と尊厳、古代芸術家の追求の精神が現れています。
それぞれの墓群は地面規則と埋葬者の地位によって、次の六つのランクに区分されております。
1. 王夫婦を合葬しているお墓即ち王陵で、最も高い等級で10個存在します。面積は数千㎡から20万㎡等、常に長方形になっており、二重塀、陵門と中門、墓室が墓道で繋がり、墓道の両側には石獅子と墓標、さらには伝説の猛獣などが順番に並んでおり、儀仗隊(常に11組)の生き生きとした表情の石像もあります。
2. 王様の妾(次妃)のお墓で、王陵に次ぐランクで4つ存在します。形は王陵と全く一緒で、サイズが多少小さくなっています。それに儀仗隊の石像が2組少ない9組です。
3. 世襲する前に亡くなった長男と輔国将軍のお墓で、次妃に次ぐランクです。儀仗隊の石像は7組までです。
4. 奉国将軍墓 輔国将軍墓の次のランクです。面積と儀仗隊が少なくなります。
5. 中尉墓で石像のないものもあります。
6. 女性のお墓 一番下のランクです。塀と石像がありません。
桂林市及び中国の重要文化財である靖江王陵には、1987年に三代目荘簡王陵を復元し、王陵博物館が建てられ、ここで出土した文物を陳列されています。玉製品や金銀製品、陶器、磁器が数多く出土し、そのうち、十種を超える青花梅瓶が300以上あり、これらの副葬品から当時の王族の贅沢の生活や明時代の葬儀法を知ることができます。最も貴重なのは墓誌銘50個ぐらいがあり、その達筆さから内容が真実であると認められ、桂林の歴史や明時代の藩王制度と書道に関する非常に貴重な資料となっています。