高田郷風光

高田風光は陽朔県の高田郷にあり、陽朔から10kmほど離れています。この地には無数の石灰岩の山々が林立し、あたかも石の森林のように一面が長閑な田園風景が広がっています。観光開発が進むことで、伝統溢れる観光地である月亮山、大榕樹、火焔山、鑑山寺などに合わせ、蝴蝶泉、聚龍潭、遇龍河、金猫出洞、馬象奇石、図騰古道、抱朴園、朗梓古村などの数々の観光スポットが開放されるようになりました。

月亮山
月亮山は海抜380m、山頂に天然の洞窟があり、まるで一輪の月のように見えることから、かつては明月峰と呼ばれ、現在では月亮山とも呼ばれています。この洞窟の直径は実に50mもあり、山の麓からは向こう側の青空と白い雲がはっきり見ることができます。そして見る位置によって三日月から次第に満月へ、満月から三日月へと少しずつ輪郭の形状が変化し、神秘的な時の移ろいを感じることができるのが月亮山の趣きです。麓から800段ほどの石段を登ると、「満月」まで行くことができるので、山登りの好きな方におすすめで、「満月」の上部にはロッククライミングに挑戦する人を見かけることもできます。

大榕樹
大榕樹は高田郷を流れる金宝河の畔に存在する一本のカジュマルで、約1300年前から豊富な金宝河の水に恵まれてきたので、この地域の「不死鳥」または歴史の「立証人」と呼ばれ、現在でもその勢いは衰えることなく育っています。悠久の歴史を立証して、自分の家族ともいえる枝葉を絶え間なく大きく広げ、一面に広がる大きな森のようになっています。そして50年前に中国で大きな人気を獲得した映画『劉三姐』の撮影ロケ地としてこの大榕樹が選ばれたことで、この地が観光地として広く知られるようになりました。

聚龍潭
聚龍潭は大榕樹公園を国道で挟んだ向かい側にある1000mを越える鍾乳洞であり、鍾乳洞内には人間の技ではとても創り出すことができない自然天然そのままのかたちが存在し、様々な名称を持つ観光ポイントが展開されています。またバラードを聞きながらライトアップされた地下宮殿を小舟で楽しむことができ、優雅な気分を味わうことができます。

鑑山寺
鑑山寺は唐の時代、開元年間(紀元713年)に建立された桂林において最も古い仏教寺院の一つであり、各時代で仏教に対する信奉がいずれ盛んに行われてきた。唐の名僧だった鑑真和尚は日本への5回目の渡航が失敗に終わり、海南島に流された後、故郷の陽州に戻る途中で鑑山寺に立ち寄り、およそ一年にわたり仏教の講義を行ったことがありました。現在の建築は唐の時代の建築様式に習い、建て直したものであり、壮観且つ厳かな雰囲気を漂わせています。敷地面積は延べ5589㎡あり、境内を走る中間線に逐次に照壁、山門、天王殿、大雄宝殿、蔵経楼が配置されています。特に大雄宝殿に安置された仏教の空間で定義した三世佛(お釈迦、阿弥陀仏、薬師如来)は高さ7mもあり、参拝客をうっとりさせています。

十里画廊
十里(5km)画廊は高田風景区をより多くの観光客に紹介しようと地元政府が2000年に作った観光用の道路です。石の森と言われた石灰岩の奇峰と長閑な田園風景の呼応する様子は、人々の美意識により、「長寿を祝う桃」、「水を出た海豚」、「山を下りる尼」、「火焔山」、「腹を晒す猪八戒」、「馬にも象にも似る石」、「洞窟を出た猫」、「龍の角の山」、「気が沈む猿」、「川を渡る駱駝」、「青厄風光」、「化粧の美女」などが想像され、現在では人々に定着しています。この十里画廊を観光するには陽朔の町から自転車で来るのが最適で、経済的にもお勧めです。そのため土日や連休になると自転車で観光に来る若者が多く、外国人観光客の間でも大きな人気を誇っています。

遇龍河漂流
遇龍河の漂流は近年現れた新しい観光スタイルであり、遇龍河の上流から下流に二人乗りの筏で下り、落差がある河を流れていく刺激的な体験をメインテーマに沿え、両岸の山並みが映りこんだ水面の清い流れを間近で楽しめるカジュアルな観光スポットです。この漂流は若者に大人気でお勧めですが、年配の方には不向きとされています。

抱朴園
抱朴園は高田風景の羊角山の麓にあり、中国の伝統的な農耕文化と農家の田園生活をテーマにして企画、開発された観光施設です。そして、中国の文化大革命時代を反映させた「知識青年が農村に赴き、貧下中農の再教育を受けさせる」という政治キャンペーンを風化させないようにと開設された「知青四合院」が多くの観光客を迎えています。ここでは、古い農機具で田を耕す以外にも、石臼で米を搗き、水車で水を揚げ、機織り機で布を織るばかりでなく、蝋染めと製陶などの文化体験をすることができます。