畳彩山

畳彩山は于越山、明月峰、仙鶴峰、四望山の四つの峰から構成されています。市街区の北寄り、漓江の西岸に聳え立ち、昔は桂山と呼ばれていました。岩盤が横に層を成している地層は、まるで色とりどりの絹や緞子を畳み重ねたように見えます。それで、いつの間にか畳彩山と呼ばれるようになりました。


昔からの登山道沿いにある畳彩亭には、高名な書道家の王遐挙が書いた畳彩山の額が掲げられています。明時代には聚景亭と呼ばれていました。亭の西側に「江山会景処」という有名な石刻があります。この石刻は
明代の画家で旅行家の羽卿が書いたものです。この時代でも、畳彩山に登れば、城、江、山の美景が一望できたことを示しています。畳彩山には見所が多いので峰ごとに紹介します。

 

于越山

畳彩山の東南側、四望山の隣にあります。唐時代の元晦(桂林観察使)がこの峰を好み、写真堂を築いて「于越山記」を書いたので知られるようになりました。峰の頂上には于越亭があります。当初は元晦の命令で建設されたものですが、現在の建造物は1954年に建て直したものです。于越閣の額名はアメリカ国籍の中国人、マイアミ中国画院長のMS梁粲英が書いたものです。

明月峰

畳彩山の主峰です。頂上の拿雲亭まで木々に覆われた登山道を行くと、夏でも涼しい風が感じられます。美しい鳥のさえずりを聞きながら、450段ぐらいの石段を登りきると、桂林の街並みと山水風景が一望できます。

風洞は全長20m、最大幅9.2mの洞窟です。明月峰の山腹を南北に貫通している瓢箪のような洞窟です。両端は広いですが、中間では人がようやく通れるくらいの狭さです。空気の対流で一年中風が通るため名付けられ、清涼世界とも言われています。前洞には、唐宋代の仏像90体余りがあり、北牖洞には有名な漢詩「遊風洞山」が彫られています。風洞は貴重な文化財として、桂林山水観光に欠かせないものです。
 

風洞の先には1958年に再建された仰止堂があります。北の壁には瞿式耜と張同敞の画像が貼ってあり、郭沫若が1963年に二人を偲んで書いた詩文も残されています。瞿式耜は兵部尚書で張同敞の先生です。張同敞は明永歴時代の桂林総督です。清の軍隊が桂林を侵略した時、二人は最後まで奮戦して犠牲となりました。清道光時代に広西の巡撫梁享が、二人の史実に感動して記念碑を建てました。

仙鶴峰

明月峰の北西側にあり海抜253.6m、畳彩山で一番高い峰です。山腹には仙鶴洞という三角形の洞窟があります。伝説によると、いつもこの峰で羽を休めている二羽の鶴を人々が仰ぎ見ていました。そこで、入り口に二羽の鶴を彫って瞻鶴洞という名をつけました。明代の三代目、靖江王朱佐敬が瞻鶴道人と自称して、ここで修行した時に仙鶴洞と名を付け直しました。

四望山

畳彩山の南西側の峰です。山には珍しい乱れ石がたくさんあります。頂上から眺めると、東側には堯山と漓江が見え、南には塔山、穿山と鳥の山が見えます。美しい桂林山水風景が一望できます。