龍脊棚田
龍脊棚田観光区案内地図
龍脊棚田は桂林市から80㎞、龍勝県から22㎞離れた龍脊山を中心とした山岳地帯に開拓され、「世界の棚田の冠」と称えられています。海抜約300~1100mの高い位置に26~35度の傾斜した坂に66kmの広範囲にわたり棚田が広がっており、雄大なスケールと綺麗な曲線の美が人々を魅了しています。
龍脊の棚田はおよそ650年前の元の時代から、地元の人々が生計を立てるために発案した300年間に渡る絶え間ない努力とノウハウを重ねた賜物であり、そこで汗を流して収穫した農作物により人々は育ち、後世の子孫にも大きな精神的財産を残したといえます。即ち「天は自ら助くるものを助く」という道理に従い、人々の長い時間の努力が生み出した宝であるのでしょう。現在では広西チワン族自治区の指折りの観光地に成長しました。
龍脊棚田は平安チワン族の壮寨棚田、大寨ヤオ族棚田、龍脊チワン族の古壮寨棚田を中心に構成されており、それぞれの村には観光用の入り口が設けられています。この3つでいち早く開発されたのが平安チワン族の壮寨棚田であり、観光客にとって最も人気が高いコースとなっています。この平安チワン族の壮寨棚田の全景を見渡すことができるように、村には綺麗に敷かれたおよそ900段の石段があり、登っていくと展望台がある1番高地と2番高地に辿り着きます。この展望台からは無限に広がる曲線美と躍動美に満ち溢れた棚田を見ることができ、この二つの高地は「七星伴月」と称えられています。
この龍脊棚田で取れる農作物といえば、まず何と言っても年に一回収穫される米が挙げられます。粘りがあり、桂林周辺では美味しい米だと認知されています。米の生産に重要なきれいな水は山の頂上にある水源涵養林から灌漑用の水を引き、この貴重な水源によって田植えから収穫までの間、高水準の環境を維持できるのです。米のほかには唐辛子やお茶などが名産であり、お土産として買って帰る人も多くみかけられます。棚田や農作物は四季折々その景色を変化していきます。毎年5月頃になると田植えのための水が張られ、空の白い雲が映る棚田の水面は無数に流動する白いリボンのように見えます。夏を迎えた棚田は成長途中の稲の緑に覆われ、あたかも緑のカーペットを一面に敷いたような爽快な景色が広がります。秋になり収穫の季節を迎えると黄金色に染まった棚田が豊潤で鮮やかな輝きを見せてくれます。冬には空から舞い落ちる雪によって化粧をほどこされ、山々の青緑とのコントラストが物静かな真白い銀世界を創りだします。なかでも春から夏にかけてが棚田観光のベストシーズンとされています。
龍脊山に分布する魅力溢れる棚田を一層引きたてているのは開拓民の子孫だと言われるチワン族やヤオ族の村々にある独特の様式をもつ建築物です。昔から杉の材木で建てられた現地の少数民族の建物は、高床式だけではなく釘を一本も使わずにすべてホゾとホゾ穴で組み合わせてできた建物が人々の注目を集めています。そして棚田の展望台まで繋がる小道では、民族独特の衣装を身に纏ったチワン族やヤオ族の女性たちの元気な足取りで歩いています。その姿は、周囲の緑と装飾の色彩が色のハーモニーを生み出しています。特に、世界の長髪の村といわれるヤオ族の黄洛ヤオ寨では、ユニークな長い髪を綺麗に束ね、女性たちの姿は周りの棚田と呼応して凛とした輝きを放っています。また地元の小道を歩くと何処からともなくチワン族風の竹筒ご飯の美味しい香りが漂ってきます。
龍脊棚田は地域政府の観光開発に伴い、その美しい景観を壊さないようにしてより一層の完備と改善が行われており、桂林を中心とした各地からのアクセスも便利になり、多くの人が訪れる人気の観光スポットとなっています。
※龍勝棚田見学は、石段の登り降りがございますので、動きやすい服装、運動シューズでご参加されますことをオススメする。